なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
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» 2019年02月05日 06時00分 公開

長浜淳之介のトレンドアンテナ:「なまはげ」居酒屋にお客が殺到! 秋田県内に“存在しない空間”の魅力とは (1/6)

秋田県の郷土料理と「なまはげ」と触れ合える居酒屋にお客が殺到している。その再現度の高さから秋田県人以外も魅了している。大ヒットの秘密とは?

[長浜淳之介,ITmedia]

 大晦日の夜に鬼のような面を被り藁の装束を着て、集落の家を一軒一軒訪問し、子どもたちを震え上がらせる秋田県の民俗行事「なまはげ」。このなまはげを再現し、体験できるユニークな居酒屋が東京・銀座と仙台にある。その名も「AKITA DININGなまはげ」だ。

 銀座店は秋田県東由利町(現・由利本荘市)にあった築120年ほどの萱葺きの古民家(旧小松邸)を移築し、柱や梁などをそのまま使用。かまくらを模した幻想的な雰囲気の個室も備え、現地まで行かなくても伝統的な食と民俗を満喫できるようになっている。

 最大の売りである「なまはげショー」は毎日2回開催。「泣くごはいねぇがー(泣く子はいないか)」、「わりぃごはいねぇがー(悪い子はいないか)」と、スタッフが赤と青の面を付けた2体のなまはげに扮して各テーブルを訪問し、顧客と一緒に写真を撮ったり、お酒を飲んだりしてコミュニケーションを取っていく。なまはげを一般向けにアレンジしており、なかなか迫力があってとても楽しい店である。

photo なまはげとコミュニケーションができる

 メニューはきりたんぽ鍋をメインに、比内地鶏、稲庭うどんなどの郷土料理が味わえる。

 同店は「秋田活性化株式会社」(秋田市)という会社が経営しており、年間5万人を集客する活況ぶりだ。同社は秋田県の過疎化を食い止めたいと切望する地元有志によって設立された。特に、なまはげが2018年末にユネスコ無形文化遺産に登録されて以降、予約がさらに殺到するという人気ぶりだ。

 今回はAKITA DININGなまはげの活動から、飲食店による地方活性化の可能性を考えてみたい。

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