一体誰が買ったのか? グレードはたった2つ。安い方で327万円、高い方なら374万円のクルマである。なんと驚くべきことに購入者の中心は20代から30代の若者だった。購入者の95%が男性。「若者はお金がない」という決めつけでは考えられないことだが、考えてみればたった2000人かそこらの話である。限られた高収入の若者にこういうクルマを志向する人がいてもおかしくない。
目ざといトヨタは、それに気付いた。プロユースのニーズに応えて、お客さまサポートのためにある意味仕方なく再販売にこぎつけたハイラックスが思わぬ新しい客層にヒットしたのだ。
8代目ハイラックスをベースに18インチホイールなどでドレスアップされた50周年記念モデル
世間の言う通り、若者がクルマ離れを志向していたとしても、こういうクルマはカーシェアで借りられない。あるいは仮にどこからか調達してきたとしても、ブームが加速しているキャンプやアウトドア、さらに80年代のクロカンブームを支えたウィンタースポーツやマリンスポーツといった宿泊を伴う遊びの場合、レンタカーやカーシェアはコスト効果が悪い。借りている間にクルマを放り出して遊んだり、宿泊が伴ったりすれば、「必要な時だけ借りる」というシェアエコノミーの旨味が半減するのだ。そういう意味ではハイラックスのようなクルマこそ所有することに大きな意味があるのではないか?
記念モデルは“Black Rally Edition”の名前の通り黒を基調としたインテリアを採用
そう仮説を立てたら、ハイラックスの売り方を方針転換すべきだ。より若者に向けた高付加価値のモデルを追加した方が良い。Z“Black Rally Edition”は18インチにサイズアップしたアルミホイールやフロントグリル、専用バンパーなどでドラスアップを施し、計器のレタリング部を白地にした専用メーターなどの装備に仕立て、キャラクターを変えた。
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