「1F限定 牛めし320円」
「豚めし 2F 外側の階段よりお上がりください」
ここは東京・池袋にある松屋池袋西口店。松屋は2014年7月に「プレミアム牛めし」(並盛380円、税込、以下同)の販売をスタートしており、提供エリアを首都圏からどんどん広げている。基本的に併売はしないので、都内で320円の牛めしは姿を消した“はず”だ。しかも、他の大手牛丼チェーンと違い、松屋は豚めしの販売もやめた“はず”だ。
調査してみると、吉野家やすき家とは違い、松屋は独自の販売戦略をとっていたことが分かった。
まず、大手牛丼チェーンにおける牛丼(並盛)の状況を整理しよう。14〜15年にかけて、大手牛丼チェーンは牛丼(並盛)を値上げしている。
15年4月、すき家は牛丼(並盛)を291円から350円に値上げした。「単純な値上げではなく、牛肉とたまねぎをそれぞれ20%増量している」(広報担当者)という。吉野家も14年12月に300円から380円に値上げしている。当時、牛肉の主要輸入国である米国で干ばつの影響から出荷量が減少したことや、アジア市場での需要拡大が背景にあった。すき家と吉野家は全国一斉に値上げをしている。
一方、松屋は14年7月にプレミアム牛めしを発売したが、既存の牛めしの販売をやめたわけではなかった。牛めしがフローズンの牛肉を使っているのに対し、プレミアム牛めしはチルド牛肉を使っているのが大きな特徴。牛肉をチルドの状態で店舗まで運ぶ必要があるため、提供エリアが限られており、首都圏を中心に576店で販売されている(19年2月25日時点)。一方、牛めしは376店で提供されているが、販売店舗数は徐々に減らしていく方針だという。
松屋を運営する松屋フーズホールディングスの広報担当者によると、牛めしを販売している店舗数は茨城県が5店、栃木県が6店、群馬県が10店、埼玉県が2店、千葉県が2店、神奈川県が3店、東京都が6店だという。
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