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健康診断と人間ドック、どう違うの?意外と知らない(2/3 ページ)

» 2019年02月26日 12時22分 公開
[片山ゆきニッセイ基礎研究所]
ニッセイ基礎研究所

より詳細な検査を望む場合は人間ドックに

 上述の通り、人間ドックは健康診断の1つでもあるということができます。ただし、人間ドックは会社が実施する健康診断とは異なり、法律で義務付けられていません。つまり、個人が自身の判断で受診機関を選択し、受診する検査となります。

 人間ドックは自身が選択した検査内容や種類に応じて、相応の費用が発生することになります。検査項目は、「基本検査」と「オプション検査」があります。基本検査では会社が行う健康診断以上の検査を受診することができる上、オプション検査では自身が気になっている症状に応じて、より専門的で詳細な検査を受けることもできます。また、検査結果について、医師に直接相談をし、説明や指導を受けることもできます。

 このように、自身の健康をチェックするという点においては、会社の健康診断も人間ドックも同じです。自身がどのような検査を望むのか、それにはどれくらいのコストをかけてもよいと考えているかなどを勘案して決めるのがよいでしょう。

 では、健康診断、人間ドックの実際の受診状況はどうでしょうか。厚生労働省によると、年齢別では男女とも50代(50〜59歳)が最も多く受診していることが分かります。健康への関心や不安が高まる30代(男性)、40代(女性)から受診者が増え始め、50代へと増加しています。受診が最も多い50代では男性が全体のおよそ8割、女性は7割が受診しています(図表2)

図表2 性・年齢階級別にみた過去1年間の健診や人間ドックの受診の有無別構成割合(20歳以上) 図表2 性・年齢階級別にみた過去1年間の健診や人間ドックの受診の有無別構成割合(20歳以上)

 性別でみた場合、全体(総数)として、受診していないのは女性(35.5%)の方が多くなっています。全ての年齢層でみても、女性は男性を下回っています。女性の場合、結婚、出産などライフイベントによる離職や雇用形態などによって、定期的な健康診断を受診する機会が少なくなっていることもあるかもしれません。

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