「ramen」という英語が一般的に認知されるほど、日本のラーメンは独自の進化を遂げている。では、進出先の国では原材料をどのように調達しているのだろうか。
矢野氏は「国やエリアによって事情は異なります。スープや麺をつくるキーとなる原料を日本から輸入することもありますが、現地で調達することもあります。一風堂の味のレベルは守るように心がけています」と説明する。
スープの原材料には水、動物の骨、しょうゆなどがある。特にポイントとなるのはしょうゆだ。現地に日系のしょうゆメーカーが進出していれば、専用のしょうゆをつくってもらう。そうでない場合は、日本から輸入することもある。
スープは基本的に店ごとにつくる。スープを作る全ての工程を各店舗で行うこともあれば、途中まで仕込んだスープを各店舗に運び最終調整をすることもある。味は各国で微妙に変えているが、「日本人でも味の違いが分かるかどうかというレベル」(矢野氏)だという。
麺は基本的に現地製造している。独自の製麺機を日本から輸出し、現地で組み立てる。ヨーロッパのように店舗数が少ないエリアでは、製麺所を店舗に併設し、麺をつくる様子をお客に見せるようにしている。一種のパフォーマンスだ。店舗数が10店を超えるようなエリアでは、セントラルキッチンを置いて、そこで各店舗に供給する麺をまとめてつくる。
麺の原料となる小麦粉はどうか。小麦はオーストラリア産などのものを使用するが、小麦粉を現地調達するかどうかは、現地の製粉メーカーのレベルによって判断している。ラーメン特有の風味とコシを出すために必要なかんすいは、現地で手に入らないことが多いので、日本から輸入する。
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