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» 2019年03月08日 05時00分 公開

海外で増え続ける「一風堂」 運営会社に聞いた進出の苦労とラーメンの味海外に100店超(3/5 ページ)

[昆清徳ITmedia]

ラーメンをどのように売っているのか

 矢野氏によると、ラーメンは日本のソウルフードとして世界的な認知度を獲得しているという。そのため、海外に進出する際は「どんな商品なのか?」ということを特別にアピールする必要はあまりない。認知度の高さが、海外進出する際の武器になる。

 一方、進出する際にラーメンだからこそ苦労することもある。それは、アジアを中心に現地で親しまれている麺料理と比較されてしまうことだ。例えば、ベトナムにはスープに米粉麺を入れた「フォー」がある。

 海外店舗の多くはアジアにある。具体的には、シンガポール(11店)、中国・香港(30店)、台湾(9店)、マレーシア(4店)、タイ(14店)、フィリピン(7店)、インドネシア(4店)、ミャンマー(1店)だ。

 矢野氏の認識では、アジアで親しまれている麺料理の多くは日本で売られているラーメンの半分以下の価格で売られている。そういった国で、一風堂のラーメンを売ろうとすると、割高に感じるお客がいる。

 こういったエリアでは、どのようにして同社のラーメンを売り出していくのだろうか。矢野氏は「食の安全、おいしさ、サービスといったように、『日本のラーメン』という価値を提供します」と説明する。例えば、お客が席に着く前に店員が椅子を引いてあげたり、荷物を入れるかごを出してあげたりといった日本ならではのサービスを提供することで、差別化をしようとしているのだ。

 日本の「おもてなし」を現地の従業員に理解してもらうのは難しいが、矢野氏は「自分がされてうれしいことをしよう」と説明しているという。全ての店舗で日本のようなサービスを徹底できているわけではない。しかし、国ごとにスタッフへの教育方法を工夫することで、サービスレベルの向上を図っている。

photo Ippudo Pacific Place(インドネシア1号店)

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