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ミクシィの木村社長が語る「モンスト」と「Facebook」SNS依存からの脱却(3/5 ページ)

» 2019年03月14日 11時30分 公開
[中澤彩奈ITmedia]

窮地に立たされたミクシィを救った「モンスト」

 「プラットフォーマーとしての知見を生かして、他のプラットフォームでも楽しめるアプリケーションをつくっていくことが生き残るための1つの道だろうという仮説はずっと持っていました。その中で、どのようなソーシャルアプリケーションなら収益を最大化できるのかと考えた時に出た答えが『ゲーム』でした」

 しかし、木村社長は次に取り組むプロジェクトが必ずしもゲームという体をなしている必要はなかったことを強調する。「友だちや家族と空間や時間を共有できる」ことが重要な要素であり、分かりやすい形がたまたまゲームだったという。

photo 窮地に立たされたミクシィを救った「モンスト」(写真提供:ゲッティイメージズ)

 では、モンストはミクシィがこれまでに展開してきたゲームと何が違うのか。まず特徴的なポイントとして挙げられるのが、mixi上で展開をしないと決めた初めてのゲームだったことだ。

 モンストは1人でも十分楽しめるゲームだが、実際の友だちをモンストに誘って一緒にプレイをするとより楽しめる仕掛けをいろいろと施しており、基本的には友だちと一緒に遊ぶことを想定してつくられている。

 これまでなら、mixiのプラットフォーム上でマイミク同士のつながりを軸にユーザーを増やす構想を立てていたところだったが、モンストではあえてそうせずに、まずはSMS(ショートメッセージサービス)を友だち招待経路に導入。つまり携帯電話やスマートフォンの電話帳に登録している人をモンストへ招待できる設計にしたのだ。そして、より密な人間関係が構築されているであろうLINE上にも展開し、これが大当たりした。

 現時点までのユーザーの登録経緯を確認すると、LINE経由で登録した人が圧倒的に多い。mixiというプラットフォームに固執せず、mixi以外のプラットフォームの顧客網を活用する戦略に舵を切ったことで、これまでにアプローチできなかったユーザーとも接点ができ、結果的にユーザー数の飛躍的な増加につながった。

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