混雑している路線で、かつホームの長さが列車の編成の長さに比べて長い路線は、8両化の可能性がある。例えば、つくばエクスプレスだ。つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道は、18年に発表した「中期経営計画」で、「8両編成化事業の検討」を行うとしている。混雑対応のためにクロスシート部分をロングシートに改造し、最混雑時の朝ラッシュ時22本を25本に増発するということも決めている。新車TX-3000系の導入も19年度に行われると発表している。
首都圏新都市鉄道は現在、建設時の鉄道・運輸機構への債務を解消しようと、年200億円程度返済している。現在では経常利益や利益剰余金も出るようになっており、経営状態も好調になっている。加えて、沿線の住宅開発も進み、利用者も増えている。
このままつくばエクスプレスの利用者が増え、混雑が問題になる状況が目に見えるようになれば、つくばエクスプレスの8両化も待ったなしの状況になるのではないか。
混雑している短編成路線は、状況を見ながら長編成化のために動いている。これまで各私鉄や地下鉄も歩んできた道であり、東京圏への一極集中が続く中では当然の動きである。増発というのはラッシュ時のようにダイヤの密度が高い場合には困難であり、その際には長編成化で対応するしかないのである。
特に東京メトロ南北線(と埼玉高速鉄道)、都営三田線、東急目黒線は相鉄との相互直通運転の関係もあり、長編成にしないと多くの乗客をさばききれない可能性もある。
ただ、路線の発展により利用者が増えることは鉄道会社も知っていて、そのことを見据えて将来の計画を立てる、というのも経営の腕の見せ所である。
その意味では、あらかじめ8両対応のホームをつくっておいた東京メトロや東京都交通局の想定は正しく、特に南北線の開かないフルスクリーンホームドアは、「この路線もいつかは混雑に対応するんだな」と感じさせるだけの材料となっているのである。
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