金融庁主催の投資家向けイベント「つみたてNISAフェスティバル 2019」が4月20日に開催され、金融庁の遠藤俊英長官が投資家からの質問に答えた。長期・積み立て・分散投資を支援する非課税制度「つみたてNISA」の拡大に意欲を見せたほか、運用型保険商品の透明性や、決済など機能別規制のあり方について話した。
問 つみたてNISAは投資商品の途中変更(スイッチング)ができない、恒久的な制度でない、ジュニアNISAが複雑など課題がある。
遠藤長官 NISAの使い勝手をもっと良くして、いまのNISA制度を中心にして拡大していきたい。スイッチングを認めることや、税制優遇の対象も期間も現在は限定的だ。
私は20年前、財務省の主税局にいた。どこで査定してくるかはよく分かる。税制優遇は日本のあらゆるところから来るので、主税局は大変。要望を端から聞いたら税収がなくなってしまう。どこかでプライオリティを付けなくてはいけない。政治の中で、ランク付けをして、短期的だが毎年の予算を作っている。
しかしつみたてNISAの税制優遇は、短期的な問題ではなく長期的な問題、国民的課題だということを、よく分かってもらい、恒久化を目指す。拡大を目指さなければいけない。
必要なのは実績。毎年これだけ(つみたてNISA口座が)拡大している、国民が使おうとしている、そういう実勢を見せる必要がある。開始から1年間で100万口座積み上がったのは極めて大きな実績だ。実績に基づいて継続的に財務省と議論している。
NISAは「Nippon ISA」の略。(NISAのモデルとなった)英国のISA制度は非課税期間が恒久化されている。寿命いっぱい非課税期間を使うと1億4400万円になる。NISAは800万円でしかない。
今の日本では、社会保障費を税金から持ってくるのはなかなか難しい。国民が自助で、自分たちの老後の生活をまかなうお金を増やす取り組みを、税制優遇で後押しすればいい。多くの人が同調してくれる政策だと思う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング