記者はいま、マカオのカジノにいる(もちろん、仕事だ)。2015年にオープンした「スタジオ・シティ・マカオ」という統合リゾート(IR)にいて、その1階にカジノがある。バカラやブラックジャックなどのテーブルゲームが290台、スロットマシン1200台が並んでいて、ある人は笑みを浮かべ、ある人は渋い表情を浮かべていた。
フロアを見渡すと、赤やオレンジといった暖色系のネオンが輝いていて、エンターテインメントの空間が広がっていたが、記者は気になったことがひとつあった。「監視カメラ」である。入口にカメラ、天井にカメラ、テーブルにカメラ、スロットにカメラ――。どこに目を向けてもカメラを見つけることができるので、担当者に何台あるのか聞いたところ、「カジノだけで3000台ほど設置していて、死角になっているスペースはほぼない」とのこと。
配られたカードをすり替えたり、怪しいモノを持ち込んだり――。いわゆる“イカサマ”対策のために、たくさんの監視カメラを設置しているわけだが、いくらなんでも多過ぎないか。例えば、スロット1台につき、1台のカメラを設置しているのだ。
このように書くと、「新手の悪党が出てくるからねえ。監視カメラを増やさないと、対応できないんでしょ」と思われたかもしれない。その意見は、よーく分かる。ただ、カメラを増やすと映像も増えていくので、たまりにたまった膨大なデータをどのように分析しているのか、という疑問がわいてきたのだ。
その謎を解くためには、やはり監視ルームを取材しなければいけない。というわけで、セキュリティ責任者のデイミアン・フィリップスさんに、門外漢は入ることができない秘密基地を案内してもらった。
「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
えっ、炊飯器じゃないの? 三菱電機の高級トースターが面白い
“売れない魚”の寿司が、なぜ20年も売れ続けているのか
なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
築46年なのに、なぜ「中銀カプセルタワー」に人は集まるのか
「現金お断りの店」は、その後どうなったのか? ロイヤルHDの実験
6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング