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» 2019年06月05日 06時00分 公開

オフィス家具最前線:サブスク家具、自走するイス、エアコン温度戦争の終結――未来のオフィスを体験してきた (1/2)

[ITmedia]

 5月後半は各地で気温30℃を超える真夏日が続き、異例の暑さとなった。令和になってあっという間に夏が来た、と感じている方は多いだろう。

 夏になると総務や人事といった管理部門の課題になるのがオフィスの温度管理。オフィス環境が従業員の生産性に与える影響は無視できないが、「暑さ」の感じ方は個人差が大きく、全ての人にとっての適温設定はあり得ない。個人の代謝量や服装、勤務形態の違いなどから、ある人は暑いと感じてこっそり空調の温度を下げ、またある人は寒いと訴える。こうした課題の根本的な解決は難しい。

 企業が働き方改革を進めるにあたって注目されているテーマの1つが“オフィス改革”だ。フリーアドレスや在宅勤務といった、働く場所を選ばない仕組みだけでなく、人が集まるオフィスそのものをより快適に過ごせる空間にしていこうという動きが活発化している。“イケてるオフィス”は、社員のモチベーションアップやコミュニケーションの活性化、優秀な人材の確保にも影響する。

 こうした企業側の変化を受けて、家具メーカーも新ビジネスに乗り出している。家庭向け家具メーカー大手のカリモクは、2018年からオフィス向け家具シリーズを展開。「これまでは家庭向けに家具やインテリアを製造していましたが、働き方改革という言葉が浸透するにつれて、オフィス家具として使いたいという問い合わせが増えていました。人事や総務といった方からは『若い人の離職率を抑えるためにオフィス環境を整えたい』という声もあります。本格的にオフィス向け製品としてシリーズを販売したのは2018年からですが、機能やコストを追求したスチル製の家具ではなく、暖かみを感じさせる木製を、ということで選ばれていますね」(同社)

家庭向け家具メーカー大手のカリモクもオフィス家具市場に参入している。写真はKlein Dytham architectureが手掛けた「dora dora」シリーズ

 また、定額制の家具サービス、いわゆる“サブスク家具”ビジネスを展開する事業者も法人市場に参入する動きが見られる。月額1000円から家具をレンタルできるsubsclifeは、2018年9月にオフィス向け事業を開始し、現在は41ブランド3万8000種のオフィス家具を取り扱う。「働き⽅改⾰でオフィスの移転や、リフレッシュルームの新設などを⾏う企業が増えています。ただ、家具は⾼額ですし、移動や処分も難しい。それならサブスクリプションを利用しようということで注目されていますね」(同社)

サブスクリプション型オフィス家具サービスを提供するsubsclife。オフィスにアウトドアっぽい雰囲気の空間を作るのが最近の流行らしい。同様の定額制サービスを展開するクラスやairRoomも法人窓口がある
オフィス家具メーカー大手のコクヨは、「机が人に合わせる」をコンセプトに、デスク天板の傾斜角度を8段階に調整ができる「UPTIS」や、人の動きに合わせて座面が動く「ing」など、従業員の健康管理という視点から製品を展開している
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