minikuraや連携サービスの展開で分かってきたのは、この仕組みが「“1点もの”という概念で扱うものと相性がいい」ということだ。大量の荷物を管理することはできないが、1点ずつ大切に扱う必要があるものを安心して預けられる。
「個人の持ち物を管理する」という市場を切り開いたminikuraに、今後求められることは何だろうか。月森氏は「ライフスタイルをどう変えていくか」だと口にする。
「『Webで簡単に荷物を預ける』というサービスは達成できたが、その価値をどう活用するか、まだ描けていない。暮らし方が多様になる中、このサービスを使うとどのように生活が変わるのか。どうすれば生活に欠かせないものになるか。追求しなければならない」(月森氏)
minikuraへの挑戦は、寺田倉庫の強みや方向性をさらに補強するきっかけとなったようだ。法人契約などの「数を取ること」よりも「きちんと保管すること」を重視する。その考え方は、美術品保管から始まったアートビジネスや、ワインセラー事業などにも通じる。
「古い業種の会社がどう変われるか。チャレンジしていかないと変化に対応できない。『仕事を取ってくる』ではなく、『新しい市場を生んでいく』という考え方が必要」(月森氏)。新しい時代を生き抜くヒントは、トレンドやマーケットだけでなく、自社の歴史や積み重ねてきた業務にも隠れているのかもしれない。
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