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昭和「ワタミ型」、平成「鳥貴族型」 令和で成功する居酒屋の4条件とは?「脱・総合居酒屋」で月商3倍も(5/5 ページ)

» 2019年06月28日 05時00分 公開
[三ツ井創太郎ITmedia]
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令和時代に生き残る居酒屋像とは?

 かつて外食産業が大きく飛躍した昭和時代の消費者は「外食」という行為自体に「楽しさ」を感じていました。しかし、消費者はこれだけ外食に対するライフサイクルが進む中で「外食をする」ということだけでは満足できなくなっています。また昭和、平成と外食業界のチェーン化が進む中で効率化が重視されるようになり「楽しさ」自体も薄れていってしまいました。こうした時代背景を踏まえると「劇場型居酒屋」には、消費者が潜在的に求めている「外食の楽しさ」が詰まっているのです。そして、平成後期から若者層を中心に「自分だけが楽しむのではなく、SNSなどを通じてその楽しさを他の人とシェアしたい」というニーズが高まってきました。劇場型居酒屋はいわゆる「SNS映え」するという点で、こうしたニーズにも対応しているといえます。

 飲食店に対する消費者の目がますます厳しくなり、ニーズのさらなる多様化が予想される令和時代において居酒屋業界で生き残る為には、改めて自社の付加価値を磨き上げた上で、その付加価値をどのように消費者に発信していくのかが重要になります。

photo 道南農林水産部 店内の様子
photo 道南農林水産部で提供する蝦夷バフンうにの「うにドッグ」
photo 道南農林水産部 店内の様子
photo 道南農林水産部 刺身の盛り合わせ

著者プロフィール

三ツ井創太郎

株式会社スリーウェルマネジメント代表取締役。大学卒業と同時に東京の飲食企業にて店長などを歴任後、業態開発、FC本部構築などを10年以上経験。その後、東証一部上場のコンサルティング会社である株式会社船井総研に入社。飲食部門のチームリーダーとして中小企業から大手上場外食チェーンまで幅広いクライアントに対して経営支援を行う。2016年に飲食店に特化したコンサルティング会社である株式会社スリーウェルマネジメント設立。代表コンサルタントとして日本全国の飲食企業に経営支援を行う傍ら、日本フードビジネス経営協会の理事長として店長、幹部育成なども行っている。著書の「飲食店経営“人の問題”を解決する33の法則(DOBOOK)」はアマゾン外食本ランキングの1位を獲得。


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