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インド進出を決めた「ココイチ」 海外でどんなカレーを売っているのか海外事業は順調に成長(1/2 ページ)

» 2019年07月09日 15時40分 公開
[昆清徳ITmedia]

 カレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋」(以下、ココイチ)が海外展開を着実に進めている。7月8日にはココイチを運営する壱番屋がインド進出を発表して話題になったが、そもそもどのようなカレーを現地で販売しているのだろうか。

photo 海外で200店舗弱出店しているココイチ

 壱番屋は1994年、ハワイにココイチの海外1号店をオープンした。海外展開に本腰を入れ始めたのは2004年9月に中国進出をしたころからだという。現在、国内外にあるココイチの店舗は1444店舗(6月末時点)。海外の進出先はマレーシアやフィリピンなどアジアを中心に拡大を続け、店舗数は200弱まで増えている。直近では、18年8月にベトナム1号店、同年12月に英国1号店を立て続けにオープンしている。

 欧州初となる英国の「レスタースクエア店」(ロンドン)は、大英博物館に近い繁華街にある。平日の夜や週末には行列ができることもあるという。ロンドンでは、日本式のカレーライスを提供する飲食店や持ち帰り店が人気になっており、現地のココイチでは「チキンカツカレー」が一番の売れ筋商品だ。店舗を訪れる日系人は1〜2割程度にとどまる。

 海外のココイチではどのようなカレーを提供しているのだろうか。広報担当者は「メニューは基本的に日本と一緒です。日本のカレーを世界に広める意図があります」と説明する。カレーの味を決めるルーは、親会社であるハウス食品の工場ではなく壱番屋の工場で製造している。国内で製造したルーを輸出している国もあれば、海外の工場で製造している国もあるという。ちなみに、海外だけで販売しているカレーもある。中国、韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、英国では「チキンクリームオムカレー」を販売している。

 筆者は以前、サイゼリヤや一風堂の海外進出を取材したことがあるが、原材料はその国の実情に応じて日本から輸出したり、現地のサプライヤーから調達したりしていた。ココイチのケースもこれらの企業と同様のようだ。

photo 海外だけで提供している「チキンクリームオムカレー」
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