「レバレッジに対する印象を変えたい」日興アセット「3倍3分法ファンド」が人気の理由(2/4 ページ)

» 2019年08月01日 07時20分 公開
[斎藤健二ITmedia]

世の中のレバレッジに対する印象を変えたい

 3倍3分法ファンドの最大の特徴は、この分散されたポートフォリオにレバレッジをかけて3倍相当額の投資を行っていることだ。100万円の資金に対して、300万円分の投資を行うことで、値上がりや値下がり額を増幅させている。

 「実現したいと思っていたのは、分散させた上でのレバレッジ。すごく分散効果があるポートフォリオを3倍にしている。世の中のレバレッジに対する印象を変えたい」と有賀氏は意気込みを話す。

 手持ち資金よりも大きな金額で行うレバレッジ投資は、FXや商品先物、株の信用取引が有名だ。これらは、うまくいけばリターンが大きいが、下落した際に失う額も大きく、投資の上級者が短期投資の際に使う手法のイメージが強かった。

 3倍3分法ファンドではレバレッジを長期投資の手法として使う。分散投資によって値動きは緩やかになるが、3倍のレバレッジをかけることでリターンを向上させるのが狙いだ。「分散化効果を享受してもらうのがメイン。分散投資の効果を、3倍の投資で収益として実感してもらう」(有賀氏)

 レバレッジには先物を使う。株式と不動産(REIT)は基本的に現物資産を購入するが、各国の国債は先物を買うことで、実質的な投資総額を3倍にする。

3倍3分法ファンド(1年決算型)の6月末時点での資産構成比。債券への投資と、日本株式への投資に先物を利用している。レバレッジを掛けているため、株式、不動産、債券の構成比を合計すると298.1%となる。「現金その他」は先物取引の証拠金を含んでいる(日興アセットマネジメントの資料をもとに編集部作成)

 レバレッジという複雑な運用を行うことで、信託報酬が気になるが、年率0.4752%と比較的安価に抑えた(購入時の手数料は3.24%以内)。レバレッジをかけない同社の「財産3分法ファンド」の信託報酬が1.026%なのに比べても低コストだ。

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