適切な料金になっていないのは、観光施設だけではない。一見活況に見えるホテル業界でも同様だ。ホテル業界の価格設定は、大手を除き、未だにアナログな方法が主流だ。
「いままでどうしていたんですか? と聞いたら、勘とExcelでやっていたようだ」と話すのは、ホテル向けにAI(人工知能)を使って最適な料金設定を提示するスタートアップ、空(東京都千代田区)の松村大貴社長だ。
空では、周辺のホテルの価格状況を自動的に調べ、過去のデータを集めることで、そのホテルにとって最適な宿泊価格を提案する「MagicPrice」というサービスを提供している。従来の方法に比べ、「平均して5〜10%の単価アップ」(松村氏)という実績が出ているという。
最適な単価に設定することで売り上げアップが図れるだけでなく、価格設定業務を大きく削減できることも魅力になっている。
旺盛な観光需要の裏側では、各都市でホテル供給が増加。結果、ホテル業界では深刻な人手不足が進行している。「最も人手が足りないといわれている業界だ。店舗を増やしたいが、人が足りない。ベッドメイキングの人材も足りない状況」だと、松村氏は言う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング