気持ちが重苦しくなる謝罪と比べれば気楽に選べるのがお祝い関係の贈り物だ。お祝いのシーンはさまざまあるが、西武池袋本店に特に多く寄せられる「(定年などによる)退職者向け」「還暦や米寿といった節目となる年齢を祝う『賀寿』」に分けて解説する。
まず、どちらのケースにも共通することだが、基本的におめでたいことを祝うためのものなので、謝罪と違い、トレンドを反映したり会話が弾んだりするような商品を選ぶという選択肢が出てくる。ただ、退職祝いを受け取った相手が「内祝いをどうしよう」と悩んでしまうケースがある。そのため、加瀬さんは「過剰なものは避けましょう」とアドバイスする。
定年退職し、別の職場で働くことが決まっている人には何を贈るべきか。相手の嗜好がよく分からない場合、いくらあっても困らないネクタイやベルトといったビジネスアイテムが選ばれることが多い。ただ、相手の働き方によって必要なものが異なるので、その点は注意したい。性格や好みがよく分かっていれば、ゴルフグッズや酒なども選択肢になりうる。
定年退職後、自宅でゆっくりすることが決まっている人に対してはどうか。一般的に、高齢だったり、社会的地位が高かったりすると、ビジネスの場や家庭で日常的に使うものは一通りそろえている可能性が高い。また、最近は不要なものをどんどん捨てようという風潮も高まっている。もらった相手が負担に感じそうなものは避けたほうが無難だろう。
加瀬さんは、こういったケースの選択肢としてカタログギフトを挙げる。これならば、相手は必要なものを選べる。また、カタログギフトの中には、単に商品だけでなく、レストランでの食事や温泉の宿泊が選べるものがある。そこで「これからはゆっくり過ごしてください」「仕事を支えた奥様をねぎらってください」というメッセージを込めて、“ぜいたくな時間”が過ごせるタイプのカタログギフトを選ぶお客も多いとか。
賀寿のお祝いはどうだろうか。取引先の会長に贈るケースで考えてみよう。加瀬さんによると、最近は「60歳だからコレ、70歳はコレ」といった概念が弱まっているという。現役バリバリで働いていることも多く、嗜好が多様化していることもある。ユーモアを演出するために「還暦の赤いちゃんちゃんこ」を贈ることはあり得るが、相手によっては無礼と受け止められかねない。
一般的に「年齢ごとにふさわしい色」があるとされている。例えば、「70歳には紫や紺」といった具合だ。ハンカチや花を贈ることが決まっているが、どの色にするのかを決めかねて相談をするケースもある。だが、「色に関しては諸説ある」(加瀬さん)ので、年齢の色に引っ張られすぎないほうが無難だという。例えば、70歳の人にハンカチを贈る際は、全体的に紫の色が使われているものではなく、一部に紫が使われているものを選ぶくらいにとどめたほうが良さそうだ。
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