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» 2019年09月27日 07時00分 公開

河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」:「セクシー大臣」を騒ぎ立てる“ジジイの壁” 失われる日本の競争力 (1/4)

小泉進次郎環境相の「セクシー」発言が話題になったが、そんなことを言っている場合ではない。かつてリーダー的立場だった「地球温暖化対策」で、日本は世界から取り残されている。“前例主義”から抜け出さないと、日本の競争力はどんどん失われていく。

[河合薫,ITmedia]

 「あなた方は、私の夢や私の子供時代を、空っぽな言葉で奪った」という、スウェーデンの環境保護活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)の言葉があちこちのメディアで取り上げられていますが、その数日前には小泉進次郎環境相の「セクシー」発言が物議を醸していました。

 小泉環境相は「日本は1997年に京都議定書を採択したが、リーダーシップを発揮してこなかった。今日からわれわれは変わります」とした上で、「気候変動のような大きな問題は楽しく、かっこよく、セクシーであるべきだ」と発言。それを海外メディアが取り上げたことをきっかけに、「セクシーとはなんだ!?」「言語明瞭意味不明だ!」だのとメディアが批判的に報じ、SNSで批判が相次いでいるのです。

 ……が、発信元となっているロイター通信の記事を読めば分かる通り、記事の内容は「セクシー発言」を嘲笑したものでもなければ、揶揄(やゆ)したものでもない。「日本」が地球環境問題に取り組んでいないことを批判したものです。二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭火力発電の利用を続ける日本に「温暖化対策を本気でやる気があるのか?」と疑義を投げかける一方で、アントニオ・グテーレス国連事務総長も日本の消極的な姿勢を批判しているとしました。

 「パリ協定の下で炭素排出量を削減するための具体策がある国だけが首脳会談に参加すべき」とし、安倍首相の参加に不快感をにじませた(記事より抜粋)、というのです。

 ……ふむ。いったい日本のマスコミは何をやっているのでしょうか。言葉尻を面白おかしく捉える暇があれば、日本が世界から批判されている現状を報じるべき。

気候行動サミットの前に、日本でも約5000人がデモに参加した(写真:ロイター)

 件のロイターの記事にも記されていた通り、世界約150カ国の5000カ所で、政府が温室効果ガスの排出を制御できなかったことに対する恐怖と怒りを表明するためのデモが実施されました。日本でも23の都道府県で関連イベントが開かれ、学校を休んだ生徒・学生を含め約5000人が街頭行進などを展開したのです。

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