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スバルとトヨタ、資本提携強化でどうなるのか?池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/4 ページ)

» 2019年09月30日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 9月27日、SUBARU(スバル)とトヨタ自動車は、それぞれ両社の資本提携合意を発表した。

 トピックは株式の相互保有にある。従来トヨタが所有していたスバルの株式比率を、16.83%から20%に引き上げる。もとより筆頭株主であったトヨタの議決権は3.17%増加して20%に増強されるとともに、スバルはトヨタの連結決算対象会社になる。なお株式の調達は、市場買い付けまたは相対取引を通じた買い付けとなる。

 同時にスバルは、トヨタが取得するスバル株の金額と同等の株式を取得予定だ。

 このニュースで留意すべきは、スバルがトヨタ株を取得することだ。トヨタを中核にダイハツ、スバル、マツダ、スズキの5社からなるトヨタアライアンスでは、すでにマツダとスズキが株式の相互持ち合いによってトヨタ株を取得しているが、マツダが取得するまでトヨタは他社に出資することはあっても、自社株を他社に持たせることは歴史上なかった。

資本提携の強化によりトヨタアライアンスでの最恵国待遇を受けたスバルはアライアンスに何をもたらすのか?

 スバルは、マツダ、スズキと並んでトヨタアライアンスにおいて、最恵国待遇を得たことになる。なお、ダイハツは、トヨタが全株式を取得し、すでに100%子会社となっている。つまり今回のスバルの株式相互保有によって、トヨタアライアンスの資本提携は一応の完結を迎えたことになる。

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