金融機関が利用者向けに行うイベントというと、金融資産を持った比較的シニアな層が対象のためか、講演者が一方的に話すセミナーのイメージがあった。しかし、若年層のユーザーが多いFintech企業では、ユーザー同士の対話をメインにおいたイベントを定期的に開催している。
家計簿ソフト「マネーフォワード ME」を提供するマネーフォワードと、コミュニティ型株取引アプリ「STREAM」を提供するスマートプラスは、共同でユーザーイベントを開催した。
10月3日に人数限定で行われたユーザーイベント。前半部分は、マネーフォワードグループ会社のmirai talkを立ち上げたファイナンシャルプランナーの秋山芳生氏が、お金について話すことの価値について講演した背景には、家計管理や資産運用に関して課題感を持つ若年層の増加がある。今回のイベントでも多くは独身男女で、家計管理や資産運用についても始めたばかりという人が目立った。
講演部分で講師を務めたファイナンシャルプランナーの秋山芳生氏は、「お金について情報交換できる環境を作ること。これが効く」と話した。日銀調査によると、自分の金融知識に自信のない人は87%にのぼり、こうした人が知識を深めるには、情報交換の場を作ることが大事。特に、知人や友人とはお金の話をしにくくても、匿名の場であれば、話しやすいという。
実際、今回のユーザー会でも参加者はニックネーム。匿名性のためか、自分の具体的な収入や、支出内訳となる家計簿を公開し合い、会話に花を咲かせていた。
ネットでも、匿名での家計簿公開が増えている。Instagramで「#家計簿」で検索すると、46万件もの投稿がある。「#家計簿公開」というタグのついた投稿では、リアルな数字の入った家計簿そのままの投稿もある。
ブログで収入と家計簿を公開している「株JIN」さんは、「あまり使い過ぎると恥ずかしいな、という気持ちになって、より節約できる」と、イベントにコメントを寄せていた。
老後2000万円問題はピンチかチャンスか
還暦を迎える人の平均貯蓄額は2900万円 ただし67%が2000万円以下
女性は節約、男性は投資 書籍ランキングから見えるお金との付き合い方
投資する人としない人で、資産に「年3.5%」の差がつくのはなぜか?
LINE家計簿、開始から半年でユーザー300万人突破Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング