金融機関が利用者向けに行うイベントというと、金融資産を持った比較的シニアな層が対象のためか、講演者が一方的に話すセミナーのイメージがあった。しかし、若年層のユーザーが多いFintech企業では、ユーザー同士の対話をメインにおいたイベントを定期的に開催している。
家計簿ソフト「マネーフォワード ME」を提供するマネーフォワードと、コミュニティ型株取引アプリ「STREAM」を提供するスマートプラスは、共同でユーザーイベントを開催した。
背景には、家計管理や資産運用に関して課題感を持つ若年層の増加がある。今回のイベントでも多くは独身男女で、家計管理や資産運用についても始めたばかりという人が目立った。
講演部分で講師を務めたファイナンシャルプランナーの秋山芳生氏は、「お金について情報交換できる環境を作ること。これが効く」と話した。日銀調査によると、自分の金融知識に自信のない人は87%にのぼり、こうした人が知識を深めるには、情報交換の場を作ることが大事。特に、知人や友人とはお金の話をしにくくても、匿名の場であれば、話しやすいという。
実際、今回のユーザー会でも参加者はニックネーム。匿名性のためか、自分の具体的な収入や、支出内訳となる家計簿を公開し合い、会話に花を咲かせていた。
ネットでも、匿名での家計簿公開が増えている。Instagramで「#家計簿」で検索すると、46万件もの投稿がある。「#家計簿公開」というタグのついた投稿では、リアルな数字の入った家計簿そのままの投稿もある。
ブログで収入と家計簿を公開している「株JIN」さんは、「あまり使い過ぎると恥ずかしいな、という気持ちになって、より節約できる」と、イベントにコメントを寄せていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング