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» 2019年10月08日 05時00分 公開

現地取材で覚えた「違和感」:静岡県知事の「リニア妨害」 県内からも不満噴出の衝撃【後編】 (3/5)

[河崎貴一,ITmedia]

「のぞみ」を敵視する静岡県

 静岡県内の東海道新幹線の駅で、『ひかり』と『こだま』が停車すると、決まって後続の『のぞみ』が本線を追い抜いていく。静岡県民は、苦々しく思いながらも、『のぞみ』の県内停車を願ってきた。とくに、静岡駅と浜松駅の利用者は『のぞみ』に乗りたいだろう。

 川勝知事の前任にあたる石川嘉延(いしかわよしのぶ)知事(当時)は、02年、ダイヤ改正で通過する『のぞみ』と、『ひかり』・『こだま』が同一の料金体系であることに不満で、県内を素通りする『のぞみ』に、「可能な限り、静岡駅または県内のいずれかの一駅に『のぞみ』を停車していただきたい。もし今後も県内素通りを行うのであれば、通行税をかけることを真剣に検討する」と静岡県議会で発言したことがあった。

 川勝知事も、『のぞみ』の静岡駅や浜松駅での停車を望んでいると伝えられる。

photo 静岡駅前の徳川家康像。家康は、晩年を駿府城に居住して二元政治を布いた
photo 乗降客の少ない新富士駅

 歴代の静岡県知事は、東海道新幹線に対して“被害者意識”を口にしてきた。本当にそうだろうか。

 静岡県内には東海道新幹線の駅が6カ所ある。東海道新幹線17駅のうち3分の1を占める。フル規格の新幹線では、岩手県と新潟県(ともに7駅)に次いで、全国3位の多さである。

 しかも、6駅のうち三島、新富士、掛川の3駅は、地元が費用を出して造った請願駅だ。請願駅は地元が建設費用を負担して建設されたが、開業後は国鉄と、国鉄民営化後に引き継いだJR東海が、駅員や関連する事業の従業員の人件費、施設の経費などを負担してきた。JR東海は、東海道新幹線の駅別の利用者数を公表していないが、ワースト5には新富士駅と掛川駅が入ると鉄道マニアに指摘されている。

 ことほど左様に、東海道新幹線だけでもJR東海の恩恵を十分すぎるほど受けてきたのが静岡県である。

 桜井勝郎・静岡県議が静岡県の新空港駅の調査費について、川勝知事を批判する。

 「静岡県は、川勝知事の意向で新空港駅に関連する調査費として、2016年からの4年間で2000万円以上のお金を使ってきました。実現不可能な新幹線の駅のために、県民の大切な予算を無駄に使ってきたのです」

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