1日で売り上げ6兆円突破 中国の「ダブルイレブン」はなぜケタ外れなのか中国マーケティング最前線(2/3 ページ)

» 2019年11月21日 08時00分 公開
[服部良祐ITmedia]

人気のカギは「ライブコマース」

 ちなみに、中国のデータ調査会社・星図数据が集計した今年の「売れたジャンルのランキング」によると、1位は携帯・デジタル製品。2位に家電、3位コスメと続く。森下さんによると、スマートフォンのように「普段は高いが値下げ幅が大きい」商品や、おむつや化粧水のように「普段使いする上に買いだめできるもの」が売れ筋になりやすいという。

photo ダブルイレブンでの売れ筋ジャンルランキング(星図数据が集計、速報値)

 「ダブルイレブンは企業がキャンペーン効果を狙い、1年間で最も商品が安くなる、“薄利多売”のセール。当然、消費者は安値や付いてくる『おまけ』、クーポンなどに着目する」(森下さん)。

 特に今年のダブルイレブンをより盛り上げた要因として大きいのが「ライブコマース」だ。インフルエンサーと呼ばれるネット上の有名人が、商品紹介する動画をEC上でライブ(生)配信する。日本でもある程度浸透してきたが、中国の消費者への影響力はそれをはるかに上回る。

 トレンドExpressによると、ライブコマースは18年ごろからダブルイレブンで本格的に活用されるようになった。例えば人気配信者の李佳●(「王」に「奇」)さんが今回のダブルイレブンの「タオバオ・ライブ」で行った約6時間半のライブ配信は、約3700万人のユーザーが視聴したという。こうしたライブコマースを手掛ける中国のインフルエンサーは、日本だと「Hikakin」のような超人気ユーチューバーに相当すると言える。

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