金融庁が毎年8月に公開する「金融レポート」。金融行政の施政方針を表す重要なレポートだ。これを、特にFinTechの観点からどう読み解くか。11月22日にマネーフォワードが開催したイベントでの、神田潤一執行役員の講演から。
まず注目なのが、金融デジタライゼーションだ。重点施策の1つ目として、金融デジタライゼーション戦略を挙げているが、18年版の「デジタライゼーションの加速的な進展への対応」という表現から、19年版では「金融デジタライゼーション戦略の推進」と表現が変わった。
神田氏は、「金融デジタライゼーション戦略の推進は、昨年に比べて実践段階に入った」と説明。特に重視されているのが、データだと説く。データの利活用による高度なサービス提供を進めるため、情報銀行の活用も含め、金融機関の取り組みを促進するというのがポイントだ。
また、レポートのタイトルは「利用者を中心とした新時代の金融サービス」となっている。基本姿勢としても「……金融庁は、『金融育成庁』として、金融サービスの多様な利用者の視点に立ち……」と、利用者という表現が各所に出てくるのが18年との違いだ。
「データをベースにした、利用者の深い理解に基づいて、適切で納得性の高いアドバイスとソリューションを提供すること」(神田氏)が、19年の金融庁の方針だと捉えられる。
こうした金融庁方針に沿って、3メガバンクも戦略を立てている。共通の方向性は、対面チャネルだった支店を減らし、オンラインチャネルを強化していくこと。一方で、残った対面ではコンサルティング能力を強化していくことだ。
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