なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
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» 2019年12月17日 11時00分 公開

長浜淳之介のトレンドアンテナ:なぜ「ビーフン」に成長の余地があるのか 最大手「ケンミン食品」が狙う空白市場 (1/5)

ビーフン最大手のケンミン食品。2016年には年間約1000万食だった売り上げは、17年以降は約1500万食へと1.5倍に増えた。どのような成長戦略を描いているのか。

[長浜淳之介,ITmedia]

 ビーフン最大手のケンミン食品(神戸市)が攻勢を強めている。

 同社の製品は、日本で流通するビーフン市場のおよそ6割の市場シェアを占める、ビーフン界のガリバーだ(出典:日本税関2018年ビーフン輸入量)。主力の「ケンミン焼ビーフン」シリーズは、2020年に発売60周年を迎えるロングセラーだ。しかも、16年には年間約1000万食だった売り上げは、17年以降は約1500万食へと1.5倍に増えた。

 これをきっかけに、今まで弱かった東日本への認知と拡販を進め、現状の年商85億円(19年2月期)を、目標100億円に引き上げている。

ゆでる必要があるケンミンビーフン(左)、即席タイプのケンミン焼ビーフン(右)

「秘密のケンミンSHOW」で大反響

 近年の売り上げ急上昇の要因は、17年6月に放映された日本テレビ系「秘密のケンミンSHOW」で特集されたためだ。番組スタッフは、ひそかにケンミンの焼ビーフンに対し、他人事とは思えぬシンパシーを抱いていたようで、同年の秋に番組10周年を迎える記念として、取材を敢行した。

 番組をきっかけに焼ビーフンを初めて食べた人の多くが、リピーターとなって定着してきている。

 また、スーパーなどの弁当・惣菜コーナーで、「ケンミンのビーフン使用」を明記したシールを貼る動きが広がっていて、「いなげや」「イオンスタイル」「まいばすけっと」「イトーヨーカドー」といった店舗で見かけるようになった。

 「シールがあると売れ行きが違う」と、ケンミン食品東京支店・堂本輝明支店長は、ケンミンのビーフン使用による販売促進効果に自信を見せている。

ケンミン食品の商品の集合写真

 もう1つ好調な理由がある。ビーフンは米からつくる麺なので、小麦からつくるラーメンなどの麺に含まれるアレルゲン、グルテンの成分を有していない。つまり、近年増加しているとされる小麦アレルギーの人でも安心して食べられる、グルテンフリー食品である。欧米でも人気が高まるグルテンフリーのトレンドは、ビーフンにとって追い風。ケンミン食品では輸出にも大きな将来性があると、期待を膨らませている。

 このようにケンミンのビーフンが長寿商品として愛されている。しかも、ビジネスチャンスが広がろうとしている。商品力の高さの秘密を探ってみた。

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