freee上場 クラウド会計に続くビジョンを話す(2/2 ページ)

» 2019年12月17日 14時19分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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サブスクリプションビジネスは、期間損益ではなく「顧客あたりの収益性」

 freeeの直近の業績は営業損失28億3000万円。2020年7-6月期も、28億7600万円の赤字を見込む。いわゆる赤字上場となるが、サブスクリプションモデルの業績は、顧客1社あたりの収益性で見ることが重要だと話す。

 継続して顧客が使い続ける限り収入が生まれてくるサブスクリプションモデルは、顧客獲得コストを将来のサブスクリプション収入で回収し、利益を積み上げる事業モデルだ。「顧客1社あたりの収益性が重要。ユニットエコノミクスとして、獲得コストに対して、どれだけの生涯価値(LTV)が生まれるのかを重視している。これが積み上がっていくと、期間損益で見た場合の収益性も改善していく」。会計期間の損益ではなく、顧客あたりの収益性に規律をもってビジネスをやっていく方針だ。

 freeeは、クラウド会計ソフトの中で55%という圧倒的なシェアを持っていると同社。国内の市場を見ると、企業の54%が何らかの会計ソフトを使っているが、そのうちのクラウド会計ソフトは14.5%に過ぎない。そして、設立1年以内の若い会社は半分以上がクラウド会計を使っていると、佐々木氏は市場のポテンシャルを強調した。

 今回上場で得た120億円の資金は、「クラウドERPの開発と、それを中小企業の皆さまに使ってもらうための営業、マーケティングに使っていく」とした。

会計ソフト市場だけでなく、国内中小企業のバックオフィス人員を置き換える効果も考えると、大きな市場ポテンシャルがあると強調
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