2020年3月14日のダイヤ改正、関東圏の鉄道はどう変わる?(2/5 ページ)

» 2019年12月21日 08時08分 公開
[小林拓矢ITmedia]

中央線で移動する人

 早朝時間帯に中央線で移動しようとした際、時間がかかると思っていた人も多いだろう。武蔵小金井発4時33分の各駅停車は、これまで5時22分に東京駅についていた。しかし新しいダイヤでは、5時11分に東京駅につく。緩行線で各駅に停車していたのと、11分も差がついている。早朝に東京駅近辺で仕事をする人にとっては、ありがたいダイヤだ。

 こうしたダイヤの変更は、もっと前から行われるべきだった。中央線は、なぜ深夜に各駅列車しか走らないのか、と多くの人が疑問に思い、人によっては「家に帰るのに時間がかかる!」と不満を感じていただろう。そういった状況が改善されることで、多くの深夜・早朝帯の利用者は喜ぶ、ということになる。

 では、なぜ中央線の深夜・早朝時間帯の輸送体系を変えるのか。中央線は2023年度末に、グリーン車を連結させる予定になっている。それにともない、現在の10両編成から12両編成へと、増結されることになる。そうなると、中央線のオレンジバーミリオンの帯をした車両は、緩行線内に入れないことになる。緩行線内は10両までしか対応していない。中央線の各駅ホームは、12両対応のために工事を行っている。

 中央線へのグリーン車導入という先を見越して、中央線と中央・総武緩行線の輸送体系を変えるのだ。このように変えることは、利用者にとって速達性の向上や、時間帯によって運行体系が変わるという現在の分かりにくい状況を変える意味で、評価できる。この運行体系の変化は、多くの人に受け入れられるだろう。

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