食べられるインクで「脱プラスチック野菜直売所」 練馬で350年続く農場がSDGsへ取り組む

» 2019年12月24日 14時35分 公開
[ITmedia]

 グローバル企業の多くはSDGsへの対応で、2025年までにパッケージリサイクル100%を掲げるなど、世界はプラスチックフリーへの転換期を迎えている。そんな社会背景のなか、都内で最多の野菜直売所が存在する練馬区において、350年続く農家である白石農園が「プラスチック包装を行わない野菜販売」を実践している。

顔を描いたニンジン

 この実証実験は、ノウ(東京都練馬区)が白石農園の協力のもと、エディブルインク(食べられるインク)を活用して行われた。

 具体的には、原材料に水、グリセリン、エタノール、クエン酸に食用色素を加えてできたイタリア製の「食べられるインクのペン」であるフードペンを用い、市場に出回らないようなサイズ、規格の野菜に、ステンシルの技法で文字を転写したり、顔のイラストを書いたりして販売。包装を使わず消費者に気軽に手に取ってもらうのが狙いだ。

ステンシルで生産情報を記載した練馬大根
白石農園の野菜直売所

 また、練馬区の野菜直売所を巻き込んだ環境活動を目指し、共通アイコンとして「脱プラスチック販売所 やさいやさん」の看板を制作。練馬区の古民家で出た廃材を活用し、黒板描きアーティスト、チョークボーイ率いる手描き集団「What a Hand-Written World!(すばらしき手描きの世界)」略して「WHW!」による手書き看板を設置した。

「脱プラスチック販売所 やさいやさん」看板

 今回作成した看板や野菜の販売アイデアは、今後、練馬区の協力農家の直売所にも実践していく予定だという。

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