9月に入ると、消費税増税関係のさまざまな話題をメディアで目にすることが多くなった。増税前駆け込みはあまりないという予測だったが、家電の売上は急増しているとか、いまどんな商品を買っておく方がお得かといった報道を、テレビなどでよく見かけた。「このケースは消費税8%or10%どっちでしょう?」のようなクイズの類を各局でやっていたりして、マスコミもネタに事欠かなかったようだ。
個人的には、街場で目に付いたのは、PayPayの「(ソフトバンク、ワイモバイルユーザーのあなたは)食品スーパーがおトク 毎日10時〜14時なら、最大10%戻ってくる!」というキャンペーンだ。このキャンペーンに参加しているスーパーを見てみると、首都圏だとイトーヨーカドー、ヨークマート、オーケー、サミット、西友、東急ストア、ベルク、ライフ、ロピアなどで、イオン系以外のほとんどの有名銘柄の店舗でPayPayが使えるようになっていることが分かる。
100億円キャンペーンなどの腕力にモノを言わせた販促が、功を奏して、直近ではキャッシュレス決済のトップシェアを確保したという。シェアを確保したあと、スーパーで10〜14時に買物している人(キャッシュレスの普及率が低い高齢者層にアピール)の取り込みを狙ったキャンペーンに感心した。この会社は、10月以降も最大10%(5%の経済対策分を含めて)というキャンペーンを予定しており、対抗する他社を巻き込んでキャッシュレス競争が続けば、キャッシュレス化は想定以上に進むのかもしれない。
こうした消費増税の話題に隠れしまっているが、食品流通業界では注目の法律が2019年10月から施行された。「食品ロス削減推進法」、ざっくり言えば、食品ロス(本来は食べられるのに捨てられる食品)の削減について、食品の流通に関わる国や自治体、関係者の努力義務を明記した法律だ。農水省によれば、わが国の食品ロス量は、16年で643万トン、国連世界食糧計画(WFP)による食糧援助量(約380万トン)を大きく上回る。食料自給率が4割を切るという国が、海外から大量に食品を調達しているにもかかわらず、こうして大量の食品ロスを生み出している。
世界的に見れば、飢えや栄養で苦しんでいる人が8億人以上もいるとされる中、食品ロスの削減は放置すべからざる課題だった。15年の国連の「持続可能な開発サミット」では、「持続可能な開発目標(SDGs)」として、30年までに小売・消費レベルでの1人あたりの食品廃棄量を半減させることが目標設定された。
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