海外ネットユーザーから日本はどう見える? 2019年に米英豪で注目されたトピックは「令和」「京アニ」「台風19号」

» 2019年12月25日 17時50分 公開
[ITmedia]

 海外のネットユーザーから日本はどう見えているのだろうか。Amobee Japanは、ネットユーザーの動向を把握する「Amobee Brand Intelligence」を使用し、米英豪の男女を対象に2019年の日本に対する海外トレンドを分析。全体で新元号「令和」への関心が寄せられたほか、京都アニメーションへの支援、台風19号の被害への関心が特に高かったことが分かったという。

平成から令和への改元は海外ネットユーザーからも注目された(写真提供:ゲッティイメージズ/CHENG FENG CHIANG

 四半期別に見ると、1〜3月期はTwitterで100人に100万円のお年玉をプレゼントする企画を行った前澤友作さん、Netflixの番組「KonMari 人生がときめく片づけの魔法」をきっかけに、「Spark Joy(ときめき)」が流行語となった近藤麻理恵さんが注目を集めた。

 4〜6月期は日本の新元号「令和」に注目が集まり、その中でも江戸時代後期の光格天皇以来、200年ぶりの天皇譲位であることに対する点に関心が寄せられた。

 7〜9月期は京都アニメーション放火殺人事件に注目が集まった。特に、「Help KyoAni Heal」というフレーズで、京都アニメーションへの追悼、支援を集めるサイトに注目が集まった。

 10〜12月期はラグビーワールドカップ開催中に台風19号によって甚大な被害が起き、日本は大きく関心を向けられた。各国選手が日本国内でボランティア活動を行っていたこともあり、1年の中でも最も注目を集めた期間となった。

米英豪全体の「日本に対する関心」の時系列推移(最も高いピークを100で表示)

 国別に見ると、アメリカではゲームを中心にエンタメ関連の話題が年間を通して注目された。特に、18年12月に発売された「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」、セガゲームスが北米において数量限定で発売した「Sega Genesis Mini」といったゲーム関連の話題が男性を中心に年明け以降から3月末まで関心を集めた。その後、夏には日本コカ・コーラの同社初となるアルコール飲料「檸檬堂」のテスト販売が注目された。

 イギリスでは、男女問わず日本で開催されたラグビーワールドカップに大きく関心が寄せられた。他にも、Web小説から生まれた「盾の勇者の成り上がり」のアニメ関連のサイトや、ゲームアプリ「ドラガリアロスト」のイギリスリリースといったエンタメへの高い関心はアメリカ同様に確認された。

 オーストラリアで特に関心が高まったのは、1月後半に開催された全豪オープンテニスでの大坂なおみ選手の優勝を伝えるもの。その中でも、本人へのインタビューなどパーソナリティーに関するコンテンツが注目を集めた。また、公共放送ABCの看板キャスターとして活躍するクミ・タグチさんのインタビューにも関心が寄せられた。7月に「はやぶさ2」が2度目の小惑星着陸に成功したことにも注目が集まった点は、他2国には見られないオーストラリアならではの特徴だった。

米英豪の特徴的な関心トピック

 米英豪の全てにおいて、日本への関心は男性が女性よりも高い結果になったが、その理由として、アニメ、マンガ、ゲームといった日本のエンタメコンテンツの影響が大きいと考えられる。日本発のコンテンツが多いことに加えて、日本のアニメや漫画を専門としたSNSが活発に利用されている傾向が確認されており、各国のコミュニティーサイトも日本のエンタメコンテンツ展開に大きく貢献しているようだ。

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