ホリエモンがRIZAP社長に聞く――顧客の意識を変えてきた戦略の秘密とは?堀江貴文が語る「予防医療」【前編】(1/4 ページ)

» 2019年12月27日 05時00分 公開
[田中圭太郎ITmedia]
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 糖尿病をはじめとする予防医療の啓発や具体的なアクションを行なう一般社団法人予防医療普及協会は10月16日、RIZAP(ライザップ)グループの瀬戸健代表取締役社長と、ホリエモンこと堀江貴文氏のトークイベントを東京都港区のDMM本社で開催した。

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 モデレーターを務めたのは、予防医療普及協会顧問でITをフル活用した“次世代クリニック“ブランド「クリニックフォア」を展開するLinc’wellの金子和真代表取締役。堀江氏と瀬戸氏の対談の模様を前後編にわたってお届けする。前編ではRIZAPがダイエットビジネスで顧客の意識を変えてきた秘密に迫り、後編ではRIZAPとして新たに取り組む糖尿病予防ビジネスの戦略を聞いた。

photo 瀬戸健(せと・たけし)RIZAPグループ代表取締役社長。1978年福岡県生まれ。2003年に健康コーポレーションを設立。2006年、札幌証券取引所アンビシャス上場を果たす。2016年7月にRIZAPグループに名称変更
photo 堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年福岡県八女市生まれ。実業家。SNS media&consultingファウンダーおよびロケット開発事業を手掛けるインターステラテクノロジズのファウンダー。現在は宇宙関連事業、作家活動のほか、人気アプリのプロデュースなどの活動を幅広く展開。19年5月4日にはインターステラテクノロジズ社のロケット「MOMO3号機」が民間では日本初となる宇宙空間到達に成功した。2015年より予防医療普及のための取り組みを開始し、2016年3月には「予防医療普及協会」の発起人となり、協会理事として活動。予防医療オンラインサロン「YOBO-LABO」にも携わる。著書に『健康の結論』(KADOKAWA)『むだ死にしない技術』(マガジンハウス)『ピロリ菌やばい』(ゴマブックス)など多数
photo 金子和真(かねこ・かずま) 医師・医学博士。臨床医として東京大学医学部附属病院を中心に、医療現場で8年間働いた後、マッキンゼーに7年間勤務。医療現場の課題解決に向けて2018年にLinc’wellを創業。ITをフル活用した“次世代クリニック”ブランドの「クリニックフォア」をプロデュース。2018年10月に開業した東京・田町の第1号店舗は10カ月で3.1万人が来院

健康情報はあふれているのに生活習慣病は増加

金子:今日はRIZAPグループの瀬戸社長をお迎えして、堀江さんと対談していただきたいと思います。早速ですが、RIZAPは糖尿病予防の取り組みをしているそうですね。その内容を共有させていただくところから始めたいと思います。

瀬戸:どうすれば痩せるかという情報は、インターネットを見ればただで手に入るようになりましたし、書店でも1500円くらいで買えますよね。にもかかわらず、生活習慣病の方はどんどん増えています。これはどういうことなのだろうと考えてみると、情報だけではソリューションになり得ないのではないかという結論に達しました。

 そこでわれわれは、行動変容を起こしていきたいと考えました。分かっているけど行動できない状況から、どうやってやり切っていただくかに主眼を置いたのです。運動と食事からアプローチをして、生活習慣を変えてもらうことに取り組んでいます。

堀江:いまは世界中が飽食の時代で、カロリーの高いものが安く大量に流通できるようになりました。それがほとんど全ての人たちに広がって、最低所得の人たちも飢えない時代になったのは、本当にここ最近ですよね。

 そう考えると、発展途上国の栄養問題はおそらく糖質ではなく、タンパク質不足のはずです。例えばバングラデシュは米が獲れるので栄養問題があるとは想像できませんが、実は良質なタンパク質が不足しています。タンパク質が不足すると、さまざまな病気になりやすくなります。

金子:おっしゃる通りですね。一方で、カロリーの高いものが安く流通することは、先進国にも悪い影響を及ぼしています。先進国では低所得の方に肥満が増えていることが問題になっています。ハンバーガーが安いので、食べ過ぎて太ってしまうんですね。

堀江:ということは、RIZAPが問題にしているのは、先進国でオーバーカロリーになっている状態を、どうやって改善するのかということですね。

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