ホリエモンがRIZAP社長に聞く――顧客の意識を変えてきた戦略の秘密とは?堀江貴文が語る「予防医療」【前編】(3/4 ページ)

» 2019年12月27日 05時00分 公開
[田中圭太郎ITmedia]
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いかにして「効果」を測るのか

堀江:どれだけ下がったのかは、どうやって測るのですか。

瀬戸:やり方はいろいろあります。取り組んだことと取り組んでいないことを分けて、それを単年度で見るのか、複数の年度を追って見ていくのかなど、それぞれ自治体や企業によって違います。ただ、自治体に関しては、「前例がない」と言われて進めてもらえないケースがたくさんあります。

 自治体と進める上での課題は、取り組みの結果、社会保障費の削減が実現すると、次の年度に予算自体が減ることですね。頑張った人たちが痛い思いをするというか、報われません。

 言い方はよくないですけど、社会保障費や医療費がかかるのは、健康的ではない方のためですよね。生活習慣病の予防に取り組んで、削減のために頑張った人たちの予算が削られてしまう現在の仕組み自体を変えていかないと、自治体で進めるのはなかなか大変かなと思っています。

堀江:頑張ったら頑張った分だけ予算を減らされて、担当者も困る。

瀬戸:われわれも「医療費を削減する」という言い方は使いません。「医療費を適正化する」と言います。そうしないとなかなか(笑)。医療費を削減されることでダメージを被る方も出てきます。われわれは成果報酬ですし、信念を持ってやっていますので、この取り組みは多くの方に喜んでもらえると思っています。

堀江:企業の場合はある意味、生活習慣病の疑いがある人を半強制的に参加させることもできると思いますが、自治体の場合はどうですか。

瀬戸:企業も自治体も同じで、参加していただける方は意識が高いのです。健康な方がどんどん健康になっていくのが、日本の現状だと思います。意識が高い人は、常に自分を磨いています。そうではなくて、面倒くさいと思って動かない方にこそ参加してほしいのです。

堀江:保険が病気になっている人をカバーするからですね。国民皆保険は素晴らしいといった論調に以前から非常に違和感を覚えていて、予防医療普及協会を立ち上げたら、こういう構造になっていることがよく分かりました。病気になっても困らない制度は、結局、意識が高くない人が病気になることにつながっている感じがします。

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