堀江:RIZAPはなぜ結果にコミットできるのだろうと思っていましたが、実際にやってみて「なるほどな」と思いました。RIZAPのすごいところはトレーナーのコミュニケーションですよね。意外とみなさん、そのことにまだ気付いていないですけどね。
瀬戸:そうですね。われわれはスタートするときに「トレーナーとは一体何だろう」という点から考えていきました。世界のトップアスリートを支えるトレーナーは、ゴールまで必ずサポートします。
ところが、日本にもともとあったサービスというのは、1回5000円で終わりといったものでした。1回のパフォーマンスをどう上げるか、もしくはいかに効果的にトレーニングをするかに主眼が置かれていたと思います。
でも、最後までやりきることが主眼になったときに、トレーナーに全く違うスキルが必要になります。それが堀江さんがおっしゃる通り、コミュニケーション能力や、コミュニケーションを支える信頼関係ですね。
堀江:トレーニングも必要ですが、それ以上に大事なのは食事です。食事のコントロールを継続するためには、トレーナーとのコミュニケーションが重要ですよね。トレーニング以外の時間帯の食事を、全て写真に撮って送ってくださいと言われたときに、最初は「何で」と思いましたが、続けてみると、ここが重要なポイントだと分かりました。
金子:写真を撮って送るというコミュニケーションは非常に面白いと思いますね。医療の現場だと月に1回病院に行って指導を受けるくらいです。行動変容をコミュニケーションによって起こしているのは、いまの医療制度にはない取り組みだと思いますし、だからこそ結果が出ているのではないでしょうか。
堀江:RIZAPのトレーナーは、100人面接して1人採用するかどうかの狭き門ですよね。
瀬戸:やはり2カ月間寄り添うとなると、どんなに理屈立てて話をしても、その方と信頼関係を築いていく力がないと続きません。それに、人間性が出てしまうので、トレーナーに必要なスキルは整理しています。
効果的なトレーニング手法を導入するのは当たり前で、やり切らないと結果は出ません。スポーツでもどんな学習でも、努力なくして成功した人はいないと思いますので、効果的に努力を続けることと、やり切ることが重要だと思います。
田中圭太郎(たなか けいたろう)
1973年生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年4月からフリーランス。雑誌・webで警察不祥事、労働問題、教育、政治、経済、パラリンピックなど幅広いテーマで執筆。「スポーツ報知大相撲ジャーナル」で相撲記事も担当。Webサイトはhttp://tanakakeitaro.link/
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