漫画家・鳥山明さんの国民的漫画『ドラゴンボール』『Dr.スランプ アラレちゃん』――。今や国内にとどまらず海外の市場を席巻し、鳥山明さんは「世界で有名な日本人」にも名を連ねている。その鳥山さんを見いだしたのが2018年に創刊50周年を迎える『週刊少年ジャンプ』の元編集長・鳥嶋和彦さんだ。鳥嶋さんは「Dr.マシリト」というキャラクターで『Dr.スランプ』にも登場している。
国民的ロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」の堀井雄二さんをライターからゲームの世界に送り出すなど、漫画界で“伝説の編集者”と呼ばれる鳥嶋さんだが、集英社入社当時は意外にも「漫画を一切読んだことがなく『少年ジャンプ』も大嫌いだった」という。自分のやりたくない仕事に配属されたにもかかわらず、いかにして前人未到の結果を打ち立ててきたのか。鳥嶋さんに新入社員時代の話を聞いた。
鳥嶋和彦(とりしま かずひこ) 白泉社社長。『週刊少年ジャンプ』で、入社2年目で鳥山明を発掘し、『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』を立ち上げた。ほかに桂正和『電影少女』『ウイングマン』なども担当。漫画以外にも、企画ページの『ジャンプ放送局』『ファミコン神拳』などの編集や、連載漫画のメディアミックス化を手掛ける。『Vジャンプ』創刊編集長。1996年〜2001年に『少年ジャンプ』編集長を務め、『遊☆戯☆王』などのメディアミックスを精力的に推し進めたほか、『ONE PIECE』『NARUTO』も開始。10年に集英社専務、15年より現職。1952年新潟県生まれ。著書に『ボツ〜「少年ジャンプ」伝説の編集長の“嫌われる”仕事術〜』(小学館集英社プロダクション)(写真撮影:山本宏樹)――鳥嶋さんは「日本一の漫画編集者」といわれていますが、学生時代になぜ出版社を志したのでしょうか?
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