『2ちゃんねる』『ニコニコ動画』――。平成のネット文化を代表する2つのサービスをつくりあげた「ひろゆき」こと西村博之氏に、令和初日に日本の未来を聞いた連続インタビューの2回目。前編では「ひろゆきが語る『“天才”と“狂気”を分けるもの』」 と題し、ひろゆき氏の考える「天才の定義」や、会社員に向いている人の特徴などを聞いた。
今回お届けする中編のテーマはズバリ「働き方」だ。フリーランスを志向する若者も多く見られる昨今だが、会社員に向く人、フリーランスに向く人の違いは何なのか。そして制度としての新卒一括採用の利点や、働き方改革の出発点の大きな間違いとは……?
最新刊として『自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』(SBクリエイティブ)を上梓したひろゆき氏。現在はフランスと日本との2拠点生活をしている。今回のインタビューでは、日本以外の「外からの視点」を生かし、“超優秀”な人と、それ以外の人とにケースを分けて、ひろゆき氏ならではの「未来の生き方」を語ってくれた。
――最近では、会社に所属せずに、フリーランスとして1人の力で生きていこうとする人も増えていますね。
うーん……。それで生きていける人がいるのは確かだし、それができる人はいいんですけどね。
正直、日本人の7〜8割は団体行動のほうが性に合っていると思うんですよね。フリーランスが発注を受けるためには「他の人と比べて能力値が高い」もしくは「他の人と比べて費用が安い」のどちらかを満たさないといけないわけです。
だから、自分の能力をずっと高めていける人だったらいいですけど、「サラリーマンが向いてないからフリーランスになろう」くらいの感覚の人だと、安く使い続けられたり、そもそも仕事を取るのが大変だったりしちゃうと思うんですよね。
――自分の力で生きていこうと「個」を尖(とが)らせすぎて、会社員としてやりづらくなっているような人も見受けられますが、そのあたりはいかがでしょうか?
今って、団塊の世代が抜けていって人手不足で、その穴を埋めるために若い人を採用していたりするところが多いんですよね。
そうするとニーズの大半は「昔の団塊の世代がやっていたことを、今の若い人がやってくれれば充分」っていうことなんです。そうすると、“優秀だけど尖っている人材”をあえて採ろうというニーズがどれだけあるのか……。会社員としてやっていくのであれば、基本的には角がなくて、決められた仕事を淡々とこなすタイプのほうが本人も周りもラクだし、うまくまわると思うんです。
――とはいえ、例えばネットの世界では、「Twitterのフォロワーを増やそう!」と喧伝(けんでん)する人がしたり、面白い人や尖った人の方が目立つ流れにあったりする実情もあります。まるで「尖る」「目立つ」という能力が、実社会においても使えるかのように吹聴(ふいちょう)する人もいますよね。
面白さが重視される会社に所属したり、ポジションにつけていたりする人が、社会の中でどれだけいるのかってことですよね。
恐らく、ほとんどの人がそんな会社にいないし、いたとしても、その面白さで仕事がまわるポジションにはいないと思うんですよね。あくまで「ネットの社会の中では」という話であって、それだけを取り上げて大衆向けに煽(あお)るのは違うのかなと思います。
まあ本当の意味で尖っていて優秀な人は、そういう風に煽る人や、僕の意見なんて関係なく、勝手に尖っていくと思うので、そっちの人の心配はしていないですけどね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング