8月10日、東京都内のTOC五反田メッセにて、「自費診療」をテーマにして医科・歯科を横断する「自費研フェスティバル2019」が開催され、一般社団法人「予防医療普及協会」の理事を務めるホリエモンこと、堀江貴文氏と同協会の顧問である鈴木英雄医師との「予防医療のミライ」と題した対談が実施された。
前編記事「ホリエモンが「ピロリ菌検査」と「HPVワクチン」を推進し続ける真意」では、堀江氏がさまざまな困難を乗り越えながら、「ピロリ菌検査」と子宮頸がんを予防するための「HPVワクチン」を推進し続ける真意をお届けした。後編では堀江氏などが現在製作中の映画「糖尿病の不都合な真実」(仮)について、お届けする。
堀江: 一つ、いつも思っていることがあって、日本人はみんな科学の教育をされているはずなのに、実際には知識が浸透していなくて、すっぽり抜けていますよね。
鈴木: 特に「がん教育」を小学生のうちからしっかりやったほうがいい、ということですね。
堀江: 確かにその通りだけど、僕は限界があるとも思っています。なぜなら中世の魔女狩りの時代から何も進化していないから。近代免疫学の父とも呼ばれる英国の医学者、エドワード・ジェンナーが天然痘ワクチンを発明して、世界で初めて予防接種を始めるわけじゃないですか。それが日本にも伝わって、西洋医学系の人たちが尽力して予防接種が始まります。つまり江戸時代にはもう打ってしまっている。なのに今ワクチンが止まってしまっている理由は、恐らくSNSの影響が非常に強いからだと思う。
鈴木: SNSが悪い方向に作用してしまっている。
堀江: SNSというのは世界を「分断」するんですよね。例えば山本太郎さんのフォロワーって僕のことを絶対にフォローしないです。
会場: (笑)。
堀江: 僕はあえてTwitterなどのソーシャルメディアでは、僕と考え方が違う人をフォローしています。そうすると、世の中にどういう意見がどれぐらいあるのか大体のパターンが分かる。一方、大体普通の人たちは自分の好きな人しかフォローしないので、世界がそこしか見えなくなる。でもちょっと変わった人たちというのは、いつも一定数いるのはしょうがないですよ。僕の知り合いの医者にもそういう人がいるから。
鈴木: 本当ですか?
堀江: はい。だけど医者じゃないですか。医師免許を持っているから始末に負えない。彼が言うことと僕が言うことのどちらを信じられるかといったら、マジョリティーは医者のほうを信じるので。だから「厄介だな」と。一般人が「反ワクチン」を主張するのは百歩譲って仕方がないとしても、医者が言っちゃ駄目だろうと。
鈴木: そうそう。僕もある先生から個人攻撃をされて、堀江さんと胃がんを減らすためにピロリ菌除菌の啓発を一緒にやっていたら、その人の著書に「筑波大の鈴木はウソを言っている。自分は絶対除菌なんかしない」と書かれてしまいました。
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