ホリエモンが糖尿病の「不都合な真実」をホラー映画で訴える理由堀江貴文が語る「予防医療」(2/6 ページ)

» 2019年09月21日 05時00分 公開
[今野大一ITmedia]
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「意識低い系」の人をいかにして病院に行かせるか

鈴木: ということで、次のテーマは、「検診を受けない理由」ですね。やはり「面倒くさい」とか「自分はがんにならない」とか変な思い込みがあります。

 私が務めている茨城県はちょっと特殊で、北のほうは漁業のまちで、南のほうは農業のまちです。漁師さんというのは検診を受けない傾向があって県北は検診受診率が低い。気風なのか、なかなか漁師さんは検診を受けません。だから、そういう人たちにも届く活動をしなければいけないと考えています。みんなにスマートウォッチを付けさせるとか。

堀江: それは絶対に無理。いわゆる「意識高い系」の人しか持っていませんから。さらにそういう人たちは病気の兆候を見つけてもアクションに移らない。なので、やはりアクションは半強制的にやるしかない。全員にやらせる的な感じで。

 方法としては、ソーシャルエンジニアリングというか、いかにして人の行動を変えさせるか。人の行動というのは実は変えられるのです。ただ、何が変えるきっかけになるのかは分からない。

鈴木: 人の行動を変えるのは難しいけれども、変えることはできる、と。

堀江: そう。僕は、変える方法があると思っている。アメリカの元副大統領アル・ゴアが主演した『不都合な真実』という映画で、「地球温暖化が問題だ」というメッセージが多くの人たちに広まったと思うけど、僕はあの手法はかなり使えると思っています。

 実は予防医療普及協会で糖尿病予防のキャンペーンをしています。糖尿病は「サイレントキラー」と言われていて、目とか手足の先とか、そういうところの毛細血管が詰まって、栄養が行かなくなって壊死していくんだけど、神経もやられてしまっているので痛くないわけ。切断しなければいけないような状況になっても痛くない。

 なので、「意識低い系」の人たちがそうなってしまって医療費がかさむ、その人たちのQOL(クオリティー・オブ・ライフ、人生の質)も下がる、という話なのですが、これは意外と知られていなくて、なので今「映画を作ろう」「糖尿病のリスクの話を作ろう」という話になっています。

鈴木: 映画によって糖尿病の啓発をなさろうとしているのですね。

phot

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