企業不祥事トレンドは「人口減少型」、2020年はどうなる?スピン経済の歩き方(6/6 ページ)

» 2019年12月31日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]
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ビジネスモデルの破たんが近づいてきた

 いよいよ本格的なビジネスモデルの破たんが近づいてきたのだ。

 と心配していたら最近、安倍政権に近い立派な人たちから「働き方改革のせいで日本が滅びる」といった意見が出てきた。世の中には、時間無制限でガッツリ働きたい人がたくさんいて、過重労働だとなんだと規制をすることで、日本経済が落ち込んでいる。一流の国でいたいのなら、若いうちはワークライフバランスだなんだと甘っちょろいことを抜かしてないで、一人前になるために死ぬ気で働けというわけだ。

 人口増時代に大きくなってきた組織はその方針を変えることができないように、人口増時代に成功体験をした現在50代以上のおじさんたちは、それまでの生き方を変えることはできないので、「どんなに時代が変わっても、変わらないことがある」などと言って、「過去の栄光」に執着する。その典型的なパターンと言えなくもない。

 20年の企業不祥事の現場では、「汚職・収賄」とともに、「根拠のない精神論で若者に玉砕を命じるおじさん」が増えていくかもしれない。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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