こうした女性コンパニオンたちは、各派遣事務所に所属している場合が多い。国内の事務所を数社調べてみると、所属するほとんどが女性だ。
同じようなイベント系のモデル事務所は欧米にも存在するが、男女の割合はほぼ半々で、モーターショー会場にも「煌びやかな女性」は、日本に比べるとその数は明らかに少ない。
その傾向が顕著になったのは、2010年代。「若くてキレイで細い」だけが女性の魅力ではないとして、欧米のモーターショーやF1などのレース場から、女性モデルやグリッドガールは徐々に姿を消した。
こうした動きは、ミスコンなどにも波及し、内面や才能をより評価するようになり、水着審査を廃止する団体も増えてきた。ミス・アメリカ2020において、ステージ上で化学実験を行った女性がグランプリに選出されたのも記憶に新しい。
そんな中、近年の東京モーターショーでも、いくつかのメーカーには「男性コンパニオン」が登場し注目を浴びたが、女性や家族連れ来場者の増加に鑑みると、その比率は大変少ない。そもそもクルマの展示会においては「キレイな女性を立たせているのだから、カッコいい男性も立たせればいい」という理屈でもない。
純粋に「クルマのショー」を楽しむために必要なのは、そのクルマに乗った環境に近い想定をするべきで、ファミリーカーには家族のモデル、商用車には作業服を着用した男女を立たせるのが最も自然のはずだ。
自身の生活環境に応じ、女性もファミリーカーや軽自動車、スポーツカー、商用車などに興味を抱く。女性ならではの感性を刺激し、女性に対しても魅力的なクルマを演出できれば、男性であろうが女性であろうがコンパニオンは必要ない。
女性でも筆者のようにクルマ好きは多くいる。特に最近の女性ドライバーの割合は伸び、女性でも運転しやすい構造を売りにしているメーカーも多い。実際、77万1200人の来場者があった前回の東京モーターショー2017では、4人に1人が女性だったという。
背景やブースのディスプレイに工夫を凝らすなど、女性が楽しめるイベント会場づくりにすれば、現在の男性カメラマンと同じように、インスタ映えを狙った若い女性も増えるだろう。インスタ映えありきで行動する昨今の女性の発信力は、カメコを凌ぐはずだ。
次回の東京モーターショーは2021年。男性目線のモーターショーは、いつまで続くのだろうか。
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