2018年、那覇署と沖縄県警本部は260人態勢で国際通りの警戒に当たったものの、新成人の暴走と危険行為などによる逮捕や保護の件数がゼロとなった。同署は「今までにない落ち着き」「保護者と対策したことも大きい」と分析している。この年、テレビの扱いはゼロだった。
メディアが期待する「絵」でなければ、放送されない可能性は否めない。沖縄に取材に来たとしても、予定調和か、それ以上の映像が撮れなければボツになる。
ちなみに、前述の「ゴミ拾い」の取材をした全国メディアはなかった。
2019年、テレビで扱われた4本すべてが、過去の“荒れた”成人式を振り返ったもので、その年の沖縄を発信したものではなかった。
沖縄タイムスでもここ数年は穏やかで華やかな落ち着いた紙面になっている。
もうひとつ、メディアが沖縄から離れたことで、新成人を迎える彼らに影響したと考えられるのは、「見るー見られる」というメディアと撮られる側の関係性だ。
メディアは、派手な新成人の行動を期待し、否定的に報道する一方、新成人の目立ちたい欲求もかなえる。
しかしながら、取材カメラが減ったことで、これまで助長させていた成人する彼らの「目立ちたい」という欲求を和らげ、行動を落ち着かせた可能性も十分に考えられる。
20年がたち、沖縄の成人式文化も、メディアの沖縄へのまなざしも変わりつつあるのかもしれない。
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