音楽やデータ配信など、ユーザーにとって「お得」と感じられるようなサービスが多かったサブスクリプションサービスが、変容を始めている。単に「〜し放題」といったものから、リアル店舗との連携、ブランディングや、リピーター作りを狙うサービスも続々出ている。乱立するサブスクサービスで、生き残るカギはどこにあるのか。企業の取り組みに迫る。
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連載第4回:本記事
一時はどん底まで落ち込んでいた明治の牛乳宅配ビジネスが復活している。最盛期の1976年には全国約350万軒に配達していたが、コンビニやスーパーの台頭により91年には120万軒まで激減。しかし、宅配専用の機能性商品を開発したり、宅配販売店の営業力を強化したりすることで約250万軒にまで復活した。契約する宅配販売店も年間50店ほど増えており、現在は約3000店に達している。“時代遅れ”と思われがちな宅配ビジネスに何が起きているのか。担当の小池康文氏(マーケティング本部 ニュービジネス部 ニュービジネス2G)に話を聞いた。
簡単に明治の宅配ビジネスの歴史を振り返ろう。
同社の宅配サービスが始まったのは1928年。「牛乳といえば販売店が配達するもの」(小池氏)だった。牛乳をつくれば売れる時代だったので、特別な営業努力をしなくても販売店の数はどんどん増えていった。
販売店の多くは家族経営で、自転車で500軒程度に配達しているような状態だったという。しかし、スーパーの増加で牛乳を手軽に買えるようになると業績が悪化していった。これまでの“殿様商売”が通じなくなってきたのだ。
危機感を抱いた明治は宅配サービスの立て直しをすることになった。
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