実は“時代遅れ”じゃなかった 低迷していた明治の牛乳宅配はなぜ再成長してるのか乱立するサブスクビジネス 成否のカギを探る(5/5 ページ)

» 2020年01月16日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]
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さらなる成長に向けた課題は?

 順調に見える明治の宅配サービスだが、今後の成長に向けての課題もあるという。一定数の世帯に占める宅配サービスのカバー率を見ると、福井県、長野県、島根県、鳥取県が高い。一方、カバー率が低いのは神奈川県、千葉県、埼玉県だ。後者のエリアはタワーマンションなどの集合住宅が多く、共働き世帯が増えている。日中に営業のために訪問しても、留守だったり、いたとしても居留守を使われたりする。得意のローラー開拓がしにくい状況だ。今後、地方の人口減少が進み、都市部への人口集中が進むとみられるが、この市場をどう攻略するかが課題になっている。明治ではWebでのキャンペーンを強化し、新たな接点をつくろうとしている。

 また、さらなる事業拡大のためには、販売店や配達員の人材を増やす必要がある。そこで、新規の販売店を増やすだけでなく、新聞販売店やウォーターサーバの販売店などとの連携を強めている。従来の業務の合間に牛乳やヨーグルトを配達してもらうためだ。

 一度はどん底まで落ちた牛乳宅配ビジネスだが、明治はお客のニーズを取り込み、営業努力を重ねることで力強く再成長させようとしている。

担当の小池康文氏(マーケティング本部 ニュービジネス部 ニュービジネス2G)
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