米国でじわじわ ビール会社が参入する「酔わない」ビジネス(1/4 ページ)

» 2020年01月30日 08時00分 公開
[藤井薫ITmedia]

 年末年始といえば、ビジネスにプライベートにと、どうしても増えてしまうのがお酒を飲む機会だ。普段気をつけていても、休みが続くと、いつも以上にアルコールを摂取してしまいがちではないだろうか。もちろん、日本人に限ったことではなく、世界各地で同じことが起きている。

 そんななか、世界的に、近年じわじわと支持されているのが、英国発の「Dry January(ドライジャニュアリー)」という活動だ。クリスマスや新年にアルコール類を飲み過ぎてしまった人が、1月(January)の1カ月間だけ禁酒するというもの。

 疲れた胃腸を休ませるだけでなく、デトックス効果もあり、健康にいいと実践する人が増えているのだ。また、1カ月だけ限定的に禁酒をするのではなく、もっと長期的に脱アルコールに賛同するライフスタイル「Sober Curious(ソバーキュリアス)」というムーブメントまで世界的に起こっている。

脱アルコールの動きが広がっている(写真提供:ゲッティイメージズ)

 確かに、海外では店頭や飲食店などでも、いつの間にか多種多様なノンアルコール飲料が幅を利かせるようになっている。「飲める」「飲めない」という選択肢のほかに、「あえて飲まない」という新たな選択肢が注目されつつあるからだ。

 ひと昔前には考えられなかった、あえて飲まない、あるいは少量しか飲まない「シラフ」でいることが、クールなトレンドになっているのだ。もちろん、そのトレンドを企業が見逃すわけがない。複雑化するアルコール市場で、企業もさまざまなビジネス戦略を練っているようだ。

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