ああ、私の「心のオアシス」がついになくなってしまうのか――と喪失感に襲われている方も多いのではないか。
「ガスト」「ジョナサン」などを運営するファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングスが、2020年4月までに24時間営業を廃止すると発表したのだ。
始発までの時間つぶし、深夜の仕事や勉強など、現代人のライフスタイルになくてはならないファミレスは、なぜ24時間営業をやめるのかというと、建前的には「働き方改革」ということになっているが、実際は人手不足を背景に人件費が上昇するなかで深夜の売り上げが減少していることが大きい。
要するに、人口右肩上がり時代に生まれたビジネスモデルが通用しなくなっているのだ。
という話を聞くと、「これも時代の流れなのでしょうがないけど、なんかさみしいな」と暗い気分になってしまう方も多いかもしれない。ほとんどの日本人は、ファミレスやコンビニの24時間営業を「豊かさの象徴」と捉えている。だから、24時間営業を止めると、「日本の豊かさ」もガラガラと音を立てて崩れているよう錯覚するのだ。
ただ、残念ながら、これは勘違いである。
ファミレスの24時間営業は1970年代から始まっているが、それが日本社会にビタッと広まっていくのはバブル崩壊後の不景気の時代。つまり、正確に言えば「24時間営業」とは、日本経済が低空飛行を続けていくなかで生まれた「貧しさの象徴」なのだ。
今でこそ日本社会ではさまざまなサービスの「24時間営業」が当たり前になっているが、歴史を振り返ると、その方針が転換されそうな大きな出来事が2つあった。
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