堀江貴文が“炎上上等”で「ホリエモン万博」開催に奮闘する理由――知られざる「六本木の衰退」に一石「信者ビジネス」との批判に反論(2/3 ページ)

» 2020年01月30日 05時00分 公開

「ホリエモン万博」から生まれた学生起業家によるジャズフェス

 六本木の文化を継承する目的では、ジャズイベント「♯ジャズなう」が開催される。記者会見の会場となった老舗ジャズレストランの「サテンドール」や「Alfie(アルフィー)」、さらに深夜は「エレクトリック神社」を会場にライブを開く。六本木に2日間、一流のジャズミュージシャンが集結する。

phot サテンドールの店内

 このジャズフェスを運営するのはHIUのメンバーで、大分県別府市の立命館アジア太平洋大学1年生の濱田真秀だ。トランぺット奏者でもある濱田は若干20歳ながら、昨年の「ホリエモン万博」で初めて「♯ジャズなう」の運営に関わったことをきっかけに、19年6月にジャズイベントの企画・運営などを手掛ける会社「Jazz2.0株式会社(東京都港区)」を起業した。「ホリエモン万博」とは別に、去年9月にも六本木でジャズイベントを開催している。

 「ホリエモン万博」でジャズフェスを開催する理由を、濱田は次のように語る。

 「六本木のジャズの歴史には、実は伝統があります。アメリカ大使館宿舎があり、アメリカ人をはじめとする外国人が多く街を訪れたことで、1970年代にはサテンドールをはじめとするジャズクラブが多くありましたが、その後は徐々に盛り上がりを失っていったようです。だからこそ微力ではありますが、さまざまな形で盛り上げていきたいと考えています。

 今回のジャズフェスでは、ハービー・ハンコックのバンドでドラムを務めていたGane Jackson(ジーン・ジャクソン)をはじめ、かなり豪華なブッキングができました。ホリエモン万博を訪れた人に、ぜひジャズフェスにも足を運んでもらい、コアなファンだけでなく“にわかファン”も増やすことができればと考えています」

phot 立命館アジア太平洋大学の1年生で、Jazz2.0社長の濱田真秀

 濱田の思いに応えて一緒にジャズフェスを作り上げるのが、ジャズクラブのオーナーや店長たちだ。サテンドールの店長・井上順もその1人。サテンドールは創業者がオープンしてから今年46年目を迎える。六本木はかつて都内を代表するジャズスポットだったものの、ここ最近は他の街に押されつつあったという。

phot サテンドールの店内

 「南青山にブルーノートができて以降、青山に移転する店もあり、六本木のジャズクラブは以前のようにはお客さんが入らなくなっているのも事実です。その一方で、ジャズを愛する常連客も多くいます。

 濱田さんに声をかけてもらって、ホリエモン万博のイベントとしてフェスを開催することで、比較的若いお客さんとの接点もできてきました。同時に20代の若くて優秀なミュージシャンも集まってくるようになりました。さまざまな世代のジャズを楽しむ接点として、六本木をジャズ文化継承の地にしたい。ホリエモン万博はそのきっかけになると考えています。いつもとは違うミュージシャンのユニットで一夜限りの夢の共演を楽しんでもらえればと思います」

phot 「六本木をジャズ文化継承の地にしたい」と語るサテンドールの井上順店長
phot ジャズ歌手として活躍したスターの写真も飾られている

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