羽田に“イノベーションの街”、20年7月開業 自動運転の開発拠点に日本文化の発信も

» 2020年02月06日 17時20分 公開
[ITmedia]

 2020年7月、羽田空港の周辺に新しい「まち」が生まれる。鹿島建設やJR東日本など9社が出資する羽田みらい開発は2月6日、羽田空港の拡張に伴って生じた跡地で開発を進める「HANEDA INNOVATION CITY(羽田イノベーションシティー)」を7月初旬に開業すると発表した。先端技術の実証実験を行う施設や、日本文化を体験できる施設を中心に、日本初の「スマートエアポートシティー」の構築を目指す。

「HANEDA INNOVATION CITY」の完成イメージ(出典:プレスリリース)

 羽田イノベーションシティーの略称は「HICity(エイチ・アイ・シティー)」。羽田空港国際線ターミナルから1駅の「天空橋駅」に直結する。敷地面積は約5.9ヘクタール(5万9000平方メートル)。20年7月初旬にまちびらき(一部先行開業)し、22年にグランドオープンする。

 HICityの施設は、「先端技術」と「文化」の2つの産業が核となる。先端技術の分野では「先端モビリティセンター」「研究開発拠点」「水素ステーション」などを整備。文化施設としては「文化体験商業施設」「足湯スカイデッキ」「芝生広場」などをつくる。

HICityの施設概要(出典:プレスリリース)

 先端モビリティセンターでは、デンソーが自動運転技術の試作開発、実証を行う新拠点を開設する。デンソーは、自動運転などの公道実証に向けた国家戦略特区制度の活用や、大田区のものづくり企業との連携によって、自動運転技術の実現への取り組みを加速させる。

デンソーが自動運転の技術開発などを行う「先端モビリティセンター」のイメージ(出典:プレスリリース)

 研究開発拠点は、先端モビリティ、健康医療、ロボティクスなどの研究開発を手掛ける企業が集積するエリア。22年には、1フロア5600平方メートルを超える大規模オフィスを開業する。また、国際学会や展示会に対応できるカンファレンスルームやホテルを備えた「会議研修センター」も整備する。

 文化施設では、日本空港ビルデングが日本文化を世界に向けてプレゼンテーションする拠点を開設。デジタルアート、没入型の演出、伝統工芸、食などを融合した展示を行うという。また、飲食施設にも日本の食文化やサブカルチャーなどを発信する店舗を取り入れる。体験型商業施設の屋上には、無料で利用可能な足湯を設置。羽田空港を発着する飛行機を眺めることができる。

「足湯スカイデッキ」のイメージ(出典:プレスリリース)

 先端技術、文化の施設に加えて、「交流・連携」を目的とした拠点も設置。開放型のコワーキングスペースや、ビジネスフォーラムなどに利用できる広場、予約制会議室などを開設する。また、自律走行バスやアバターロボットの導入も計画している。

HICityの周辺エリア(出典:プレスリリース)

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