新型コロナウイルスが経営を直撃 「中国人宿泊なら予約キャンセル」「50年間商売してきて初めて」の声インバウンドにも影響(2/2 ページ)

» 2020年02月10日 16時55分 公開
[ITmedia]
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生々しい被害の声

 同調査では、中国との直接取引がある企業の声も紹介されている。

 武漢に販売拠点がある産業用装置製造会社は「現地スタッフは地元当局の指示に従い自宅待機させている。武漢以外の販売拠点(上海、天津、深センなど)では、当局からの通達が出れば業務を再開する予定だが、いつ再開できるか分からない」と回答した。

 中国の委託工場で金属加工品を生産し、日本への輸入・販売を手掛けている卸会社は「現在発注している製品が入ってこないので、実害が出ている。年度末は稼ぎ時なので、この状態が継続すると業績に打撃」と回答した。

 日本から中国の自社工場に原料を輸出している文具メーカーは「中国の港湾まで原料が着いているが、その先の陸路が滞っている」と回答した。

インバウンドにも影響

 インバウンド客や日本人客の減少に悩まされているサービス事業者の声も紹介されている。

 食品販売を手掛けるある企業は「インバウンドだけでなく、日本人が人混みを避けており、来店客が急減。難波店・京都店の売り上げは半分以下に減少。50年間商売をしてきたが、このような事態は初めて。同業者の中でも、今の状態が続けば倒産するのではないかという話も出ている。資金繰りに支障が出る恐れがある」と回答した。

 ある旅館事業者は「インバウンド減少による売り上げへの影響はほぼない。しかし、『中国人の宿泊予定はあるのか』という日本人客からの問い合わせがあり、『ある』と回答したところ、キャンセルが発生した。大阪域外の日本人客は、大阪はインバウンドが多いイメージを持っている方もいるので、宿泊予約自体を回避する動きがある。感染症が広がる直前に、インバウンド向けの宿泊予約サイトに掲載しようとしていたが、インバウンド客の予約が入らないように掲載を中止した」と回答した。

インバウンド客や日本人客の減少に悩まされている声
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