ドル高が加速している。新型コロナウイルスの影響でアジア地域の経済への影響が懸念されたことや、日本のGDPが予想を下回ったことなどから、相対的に好調な米国のドルが買われた。
複数の主要通貨に対する米ドルの価値を表すドルインデックスは、4カ月ぶりの高水準。ドルは各通貨に対して上昇したが、特に円は売られ、2月19日から1円ほど上昇、20日時点で111円台で推移している。
ドルインデックス(DXY)の年間推移(TraidingView)
これまで円は安全資産と見られることが多く、情勢不安時には買われることが多かったが、日本の経済状況の不透明感から売られた。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストのコメント。「新型肺炎に対する過度な懸念は後退しつつある。主要国の株価指数も底堅い動きに転じている。一方で、日本においては、国内でも感染者数が増加し、発表された経済指標が悪かったため、国内の景気先行き懸念から、金融緩和期待が高まっている」
- 「世界の工場」中国への依存度
世界経済の観点からみると、中国の消費は世界経済にとってそれほど重要ではない。むしろ、中国は世界の工場として、いわゆるサプライチェーンの生産拠点として重要な意味を持っている。
- 仮想通貨とデジタル通貨
ビットコインなどの仮想通貨は投資対象として考えてよいだろうか。各仮想通貨はそれぞれ性格が異なるので一言では言いにくいが、ビットコインへの投資は金投資と似ている。
- 10年後を見据えた中国への投資
今後、中国市場は安定し、投資家は比較的高い成長を享受できると期待。株式投資では、テクノロジーや消費などの成長に注目しつつ、アクティブ運用で産業トレンドをリードあるいはフォローする銘柄を厳選すべき。金利や為替の安定を想定するならば、社債などを含めたオンショア投資の機会は拡大する。
- 先進各国の財政・金融政策への期待
政府は、大型の経済対策(事業規模26兆円程度、財政支出13.2兆円程度)を閣議決定した。景気の下振れリスクに先手を打ち、成長分野への投資や自然災害への対応などを柱とし、関連費用は19年度補正予算と20年度当初予算に分けて計上されるという。予算案が実現する可能性は高そうだ。
- 急速な円高 一時1ドル105円台に
為替は先週末から1円10銭上昇。7カ月ぶりの円高。
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