低価格を実現できた背景には、2010年に開始した「天然魚プロジェクト」がある。これは、限りある海洋資源を守るとともに、国内の漁業者との共存共栄を目指すもので、100近い漁協と進めてきた取り組みだ。プロジェクトの一環として、くら寿司は漁師が獲ってきた魚を丸ごと買い取る「一船買い」を推進しているが、ネタとして使えない魚も混じっていた。また、ネタを切る際にどうしても出てしまう端材の有効活用策も模索していた。これまではすり身にして「KURA BURGER」などの材料にしていたが、「切り身で食べたほうがおいしいものは、生で提供したい」という考えもあった。そこで、魚の輸送体制や鮮度管理を強化し続けた結果、500円ランチが実現したという。
人手不足、原材料の高騰、消費増税などでランチ価格は上昇し続けている。そのため、少なくないお客が比較的安い牛丼チェーンなどに流れている。
既存のチェーンもこういったお客を取り込む取り組みをしている。例えば、リンガーハットは19年に「リンガーランチ」を投入。平日限定で370円のギョーザ定食などを提供している。ケンタッキーフライドチキンも「500円ランチ」で成功している。
くら寿司が500円ランチを投入したことで、競争が激化していきそうだ。
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