クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

日産、新型「ルークス」 競争激しい軽スーパーハイトワゴンで勝負する“3つの強み”とは?ファミリーの使い勝手を追求(2/2 ページ)

» 2020年02月25日 14時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]
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室内空間を広く、ファミリーの使い勝手向上

 子どもを連れた家族を意識して、室内空間の広さや使い勝手にも工夫を凝らしている。従来モデルのデイズルークスと比べると、ホイールベースは65ミリ拡大、後席の足元空間は約80ミリ広げた。また、後席のシートをスライドできる長さは60ミリ拡大し、320ミリのスライドが可能になっている。

新型「ルークス」の室内。後席のロングスライドが特徴

 後席のスライドドアの開口幅は95ミリ広げて650ミリを確保した。また、ミニバン「セレナ」に搭載している「ハンズフリーオートスライドドア」を両側のドアに採用。片足を車体の下にかざすだけで、自動で開閉する仕組みだ。子どもを抱いてチャイルドシートに座らせる際も、手を使わずにドアを開けて、屈まずに作業できるという。

 前席では、座面の高さを60ミリ高くすることで、ミニバンのような広い視界を確保。荷室は、リヤシートを一番前にした状態で、48リットルのスーツケースを4個積める広さになっている。

新型「ルークス」の室内。前席の座面を高くして視界を広げた

 安全性能では、「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」を軽自動車として初搭載。2台前を走行する車両の急な減速などを検知し、回避操作が必要だと判断した場合に、警報でドライバーに知らせる機能だ。ハイビームを維持した状態でも対向車を検知してライトを暗くする「アダプティブLEDヘッドライトシステム」なども搭載している。

「アダプティブLEDヘッドライトシステム」を搭載

 また、新型デイズでも採用した「SOSコール」を上級グレードに標準搭載。緊急時に簡単に手動で通報できる。デイズに搭載したSOSコールによる警察や救急への連絡は、これまでに約30件あった。「この機能があってよかった」という声もあるという。

室内に設置している「SOSコール」

 ボディーカラーは、ツートーンも含めて17種類のバリエーションを用意。希望小売価格(税込)は、標準グレードが141万5700円〜168万800円、「ハイウェイスター」グレードが173万4700円〜206万6900円。

 齊藤氏は「技術の日産が、家族ユーザーのための広さや快適さ、安全性を考え抜いて開発した」と強調した。室内の広さや使い勝手を訴求する競合も多いが、独自の技術や機能でファミリー層の需要の取り込みを狙う。

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