また、1950年の創業から70周年、60年の焼ビーフン発売から60周年を迎えることから、さまざまな施策を用意している。各界の料理人と社長が対談し、ビーフンの新レシピを考案していく「ビーフン Power Session」や、各都道府県の食材を使った焼ビーフンの発売を予定している。
3月1日には「ケンミン焼ビーフン 幻のカレー味」(希望小売価格115円、税別、以下同)も発売する。カレー味の即席ビーフンはかつて「ケンミン即席カレービーフン」として販売しており、人気を博していた味だ。しかし、テレビCMを放映することで、カレー味ではない通常の「即席焼ビーフン」製造が追い付かなくなってしまった。そのため、泣く泣くカレービーフンの製造を中止したという過去がある。社内でも復活を待望する声が多かったことから再度販売へこぎ着けた。カレー味のビーフンは「シンガポールビーフン」と呼ばれ、中華料理店でビーフンを提供する際にはメジャーな味付けなのだという。
同じく3月1日から、60年当時の味を再現した「復刻版即席焼ビーフン」(115円)も発売する。当時は現在のチキンエキス、ポークエキスと違いかつおエキス、こんぶエキスを使用していたという。また、現行のケンミン焼ビーフン3袋に復刻版をおまけした「ケンミン焼ビーフン3袋復刻版焼ビーフン付」(345円)も発売するなど、新商品ラッシュだ。
ケンミン食品が狙っているのは“関ケ原越え”だけではない。20年1月、米国で「ケンミン焼ビーフン」を発売した。
「欧米ではタイ料理などが人気。グルテンフリー食品にも注目が集まっている」と高村社長は話す。調味料は米国の輸入規制を受け、肉由来のものから魚由来のものへ変更。しょうゆも、日本で販売しているものは製造工程で小麦が入るが、「グルテンフリー」を意識して米由来のものにするなどのこだわりようだ。
「われわれはビーフンを中国や台湾から取り入れ、『日本ナイズ』してきた。米国では今、ビーフンは『マイフン』と呼ばれている。これを、われわれが進出することで『ビーフン』として広げていきたい」と高村社長は意気込む。
新たな和食の形として、ビーフンは関ケ原だけでなく太平洋も越えられるか。注目したい。
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